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モネ没後100年、パリ近郊とノルマンディーで印象派の足跡をたどる旅【今旅2026】
2025.12.5
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「地球の歩き方」編集室をはじめ、ガイドブック制作に携わるスタッフ総動員し、選び抜いた「2026年に行くべき旅先30選」を大公開! 新規就航やアニバーサリー、世界的イベント、世界遺産登録などのさまざまな理由から、今こそ訪れたいエリアを厳選してご紹介します。2026年に行きたい旅先がきっと見つかるはず。ぜひあなたにぴったりの旅先を探してみてください!
2026年は、画家クロード・モネの没後100年にあたる節目の年。モネが晩年を過ごし、多くの印象派作品の舞台となった北フランス・ノルマンディー地方では、印象派に関する記念イベントが予定されています。東京でもアーティゾン美術館で大規模なモネの回顧展が開かれる予定で、注目が高まっています。アカデミックな古典様式から近代絵画へと、美術の歴史を大きく動かした印象派。その舞台となったパリ近郊のセーヌ河畔やノルマンディーを訪れ、モネや仲間の画家たちが見つめた風景をたどれば、作品への理解がいっそう深まるでしょう。画家たちの時代に思いをはせて、アートの旅へ!
■推薦者:地球の歩き方 フランス編 編集担当 坂井彰代
2026年に開催される冬季五輪の舞台は北イタリア! しかも、ミラノを州都にもつロンバルディア州、世界遺産のドロミテで有名なトレンティーノ=アルト・アディジェ州、そして“水の都”ヴェネツィアをはじめ、1956年に続いて2度目の開催地に選ばれたコルティナ・ダンペッツォを包括するヴェネト州の3州にまたがった広大なエリアでの開催は初めてのこと。なかでも、2024年に全日空の直行便が就航し、今までよりぐっとアクセスしやすくなったミラノは、観光やグルメはもちろん、ショッピングからナイトライフまで楽しめるイタリア随一の大都市。今こそイタリアの魅力がたっぷり詰まったミラノに出かけてみませんか?
■推薦者:地球の歩き方 イタリア編 編集担当 水野千尋
映画ファンの間で注目を集めているのが、2026年7月公開予定のクリストファー・ノーラン監督最新作『オデュッセイア』(The Odyssey)。古代ギリシャの叙事詩『オデュッセイア』をもとに描く壮大な冒険ロードムービーで、主演のマット・デイモンを筆頭にアン・ハサウェイ、トム・ホランド、ゼンデイヤといった豪華な顔ぶれが出演します。ギリシャ・フィルムコミッションが公表したペロポネソス半島の撮影地には、山上にそびえるアクロコリントス要塞や海に突き出すメトーニ城、白砂が弧を描くヴォイドキリア・ビーチなど、“神話の舞台そのもの”といえる絶景がめじろ押し。映画公開の熱気をまといながらロケ地を巡れば、旅の感動も一段と深まることでしょう。
■推薦者:地球の歩き方 ギリシャ編 編集担当 澄田直子
2026年は、『ピーターラビット』の作者ビアトリクス・ポターの生誕160周年。物語の舞台となったイギリス・湖水地方では、ポターゆかりの地を巡る特別な企画などが開催され、例年以上に注目が集まります。湖水地方は、豊かな緑と静かな湖が連なる英国屈指の自然美を誇り、世界遺産にも登録された風景はまさに絵本の世界そのもの。ポターが守ろうとした穏やかで牧歌的な景観が今も色濃く残り、訪れる人を優しく包み込みます。2026年は、物語の魅力と自然の美しさを同時に味わえる絶好のタイミング。ピーターラビットの世界に浸りながら、湖水地方を歩いてみませんか。
■推薦者:地球の歩き方 イギリス編 編集担当 平田功
2026年はモーツァルト生誕270周年。ゆかりの地を巡るオーストリア旅行には、まさに絶好のタイミングです。ザルツブルクでは、毎冬開催される音楽祭「モーツァルト週間」が記念年ならではの華やぎに包まれるでしょう。生家を訪ねて、天才の生涯に想いを馳せる旅はここからスタート! また、ウィーンでも、楽友協会やオペラ座などの名門ホールで作品を楽しめる機会が増え、“音楽の都”らしい高揚が町に満ちるはず。モーツァアルトが愛したカフェや初演ゆかりの劇場を歩けば、名曲の背景が鮮やかによみがえります。モーツァルトの世界が一段と輝きを増す記念年だからこそ、憧れのオーストリアを選ぶきっかけにしてはいかがでしょうか?
■推薦者:地球の歩き方 編集室 福井由香里
ベルナーオーバーラントの3つの秀峰アイガー、メンヒ、ユングフラウの眺望は、アルプス観光のハイライト。周辺にはこの絶景を眺めるスポットがいくつもありますが、標高2970mのシルトホルンにあるピッツグロリアは人気の展望台。周囲に遮るものがないので、3山の素晴らしい風景だけでなく、条件がよければフランスのモンブランからドイツの黒い森まで眺めることができます。2022年6月に始まった複数区間のケーブル架け替え工事はもうすぐ竣工を迎え、2026年3月から運行開始予定。すでに工事が終了している区間では、「世界一急勾配のケーブルカー」の運行が始まっています。展望台からの景色だけでなく、ケーブルカーを乗り継いでいく道中も魅力のひとつです。
■推薦者:地球の歩き方 スイス編 編集担当 永岡邦彦
1882年の着工から140年以上にわたって建設が続くサグラダ・ファミリア聖堂。そのメインタワーである「イエスの塔」が、ガウディ没後100周年にあたる2026年、ついに完成の見込みとなりました。2025年10月には塔の高さが162.91mに達し、ドイツのウルム大聖堂を抜いて世界で最も高い教会に。最終的には172.50mの高さになる予定です。イエスの塔の内部は、日本人彫刻家の外尾悦郎氏がデザインを手がけており、まるでイエス・キリストの心の中に入ったような、神を感じられる空間になるといわれています。聖堂正面の「栄光のファサード」はいまだ建設中のため、全体の竣工はもう少し先になりますが、ガウディが描いた夢の完成に一歩ずつ近づいています。
■推薦者:地球の歩き方 スペイン編 編集担当 中田瑞穂
2026年1月から、ブルガリアでついにユーロの導入予定。ユーロを法定通貨とする21ヵ国目となり、これまで以上に旅行しやすい環境が整います。ブルガリアが誇る魅力のひとつは、東方正教会の歴史を今に伝える美しい修道院の数々。なかでも、世界遺産に登録されているリラ修道院は必見で、色鮮やかなフレスコ画と重厚な建築が織りなす神秘的な空間が訪れる人を魅了します。また、毎年5~6月にはブルガリア最大級のお祭りであるバラ祭りが開催され、バラの収穫体験やパレードなどが旅に華を添えます。ユーロの導入でヨーロッパ旅行としてブルガリアがより身近になるのが2026年。旅のアクセントにいかがですか。
■推薦者:地球の歩き方 ブルガリア・ルーマニア編 編集担当 柏木孝文
イリノイ州シカゴからカリフォルニア州サンタモニカまで、全長2448マイル(約3917km)を結んでいた、ルート66。アメリカ大陸を横断する重要な交通路として、物流や人々の移動を支えてきたこの国道は、2026年に開通100周年を迎えます。2026年4月30日には、ミズーリ州スプリングフィールドで「ルート66 100周年記念キックオフイベント(Route 66 Centennial National Kick-Off)」が開催され、これを皮切りに1年をとおして沿道の各地で多彩な記念イベントが予定されています。節目の年に、伝説のハイウエイを巡る旅に出かけてみてはいかがでしょうか。
■推薦者:地球の歩き方 アメリカ編 編集担当 菊地俊哉
オーロラの発生は太陽の黒点活動と深く結びついており、黒点が活発になるとオーロラ現象も活発になります。約11年の周期で活発期を迎える黒点活動は、2024年末から極大期に入り、2025年前半にかけてピークを迎えました。この活発期はしばらく続くため、2026年も明るく力強いオーロラを目にする好機が続くと考えられます。そこでおすすめしたいのが、世界屈指のオーロラ観賞地であるアラスカ州フェアバンクス。比較的天候が安定しており、オーロラ観賞の好条件が揃っているうえ、オーロラ観賞用の施設やロッジ、ツアーなどが充実しています。オーロラを見られるチャンスが増える貴重な時期に、夜空いっぱいに広がる神秘的な光のショーに会いに行きましょう!
■推薦者:地球の歩き方 アラスカ編 編集担当 永岡邦彦
メキシコ・シティは、アステカ帝国の都「テノチティトラン」があった場所に築かれた都市で、かつてはテスココ湖に浮かぶ水上都市として栄えました。16世紀初頭にアステカ帝国が滅びると、スペイン人によって湖が埋め立てられ、コロニアル調の壮麗な町並みへと整えられます。そのため、現在もメキシコ・シティの地下には神殿や遺構が残され、「大航海時代の光と影」を肌で感じられます。2026年といえば、メキシコ・シティでFIFAワールドカップの開幕戦が行われる予定! 盛り上がりを見せる特別な年に、メキシコ・シティの新たな魅力を発見する旅に出かけてみませんか?
■推薦者:地球の歩き方 メキシコ編 編集担当 小高雅彦
2026年3月1日まで、東京・六本木の森アーツセンターギャラリーにて開催中の「マチュピチュ展」。これを見てインカ文明に興味を持ったなら、ぜひ現地で本物のマチュピチュを見てみましょう。マチュピチュは、15世紀半ば~16世紀前半にかけてペルー全土を支配したインカ帝国の大遺跡。標高約2400m、マチュピチュ山とワイナピチュ山を結ぶ尾根に広がり、麓からは400mもの標高差があるためその姿を見ることができません。インカ帝国を滅ぼしたスペイン軍はその関連都市をことごとく破壊し尽くしましたが、特異な場所にあるマチュピチュは見つかることなくほぼ無傷のまま残されました。
マチュピチュ観光の拠点となるのは、インカ帝国の首都であったクスコ。クスコとマチュピチュの間は通称「インカの聖なる谷」とも呼ばれ、ピサックやオリャンタイタンボなどインカ時代の遺跡が点在しています。クスコからの日帰りツアーなどもあるので、マチュピチュ、クスコとあわせて回るのがおすすめです。
■推薦者:地球の歩き方 ペルー編 編集担当 今福直子
日本から南に約3000km。大小586の島々からなる小さな国、パラオ共和国。そのうち人が暮らしているのはわずか9島で、世界中のダイバーを魅了するフォトジェニックな海や深い緑に覆われた島々には手つかずの自然が残り、まさに動植物たちの楽園といえます。新日国でもあるパラオは、今もなおパラオ語になった日本語があるほど日本と文化的な関わりが多く、日本人旅行者にこそ訪れてほしい旅先なのです。そんなパラオへ、2025年10月29日からユナイテッド航空が日本・成田-パラオ・コロール間の直行便を運航開始。約5時間で壮大な大自然に包まれる体験が可能になりました。2026年の海外旅行は、魅力あふれるパラオがおすすめです。(12月17日 深掘り記事公開予定)
■推薦者:地球の歩き方 パラオ編 編集担当 原万有伊
「世界一幸せな動物」といわれるクオッカがすむロットネスト島が近郊にあることで人気のパース。東京からANAの直行便が週3便就航しいてますが、2025年12月1日〜2026年4月19日にはデイリー運航となり、ベストシーズンのパースがさらに満喫しやすくなります。パース近郊にはロットネスト島以外にも、奇岩群ピナクルズや奇岩ウエーブロック、アシカと泳げるサバンテスやジュリアンベイ、1〜2泊のドライブ旅行&ツアーで訪問できるピンクレイク(ハットラグーン)、絶景の宝庫カルバリ国立公園など見どころいっぱい。シーフードも豊富で、オーストラリアワインの名産地スワンバレーやマーガレットリバーも近く、美食でも評判でです。
■推薦者:地球の歩き方 オーストラリア編 編集担当 伊藤伸平
愛らしい姿で、日本中の人々を魅了してきたジャイアントパンダ。2025年6月、和歌山県のアドベンチャーワールドにいた4頭のパンダファミリーが中国へ里帰りしたことで、現在日本で会えるのは、東京の恩賜上野動物園にいるシャオシャオとレイレイの2頭だけになりました。そしてこの2頭も、2026年2月に返還期限を迎える予定です。2026年の「パンダロス」が迫る今おすすめなのが、海を越えてパンダに会いに行く旅! 世界で約750頭が飼育されているといわれるパンダのなかでも、チョコレートパンダと呼ばれる世界唯一の茶色いパンダ「チーザイ」が中国・陝西省で暮らしています。(12月24日 深掘り記事予定)
■推薦者:地球の歩き方 西安編 編集担当 金井千絵
今、世界中のフーディーが注目しているバンコクのグルメシーン。屋台に代表されるストリートフードは健在で、1食50バーツ(約225円)でカオマンガイが食べられる一方、予算1万バーツ(約4万5000円)超えのコース料理が楽しめるレストランの予約が、なかなか取れないなんてことも起こっています。2017年にはフランスの有名グルメガイド『ミシュランガイド』タイ版がスタート。世界のグルメ評論家300人以上の投票で決まる「アジアのベストレストラン50」では、2025年の1位にバンコクの「ガガン」が選ばれました。2026 年は最新のバンコクを食べ歩いて、タイ料理の解像度をぐんと上げちゃいましょう。(12月17日 深掘り記事予定)
■推薦者:地球の歩き方 arucoバンコク編 編集担当 関いつこ
19世紀末から約半世紀の間、アメリカの植民地だったフィリピンは、英語話者が多いことや物価の安さなどから人気の留学先として知られてきました。これまで、日本からの留学先としては首都マニラやリゾート地セブが主流でしたが、ここ数年注目を集めているのがバギオ。年間をとおして過ごしやすい気候と治安のよさはフィリピンの中でも際立った特徴で、最新のアートスポットやおしゃれな飲食店も点在し、オフタイムの楽しみも豊富。バギオのあるルソン島北部にはフィリピンを代表する観光地も多く、留学先としてはもちろん、周遊旅行の拠点としても魅力的な場所です。(12月17日 深掘り記事予定)
■推薦者:地球の歩き方 フィリピン編 編集担当 田中健作
2026年、韓国の旅は地方が盛り上がる予感。都市の喧騒を離れ、自然やローカル文化を感じられるエリアが注目されるなか、おすすめは美しいビーチと韓国らしいグルメやカルチャー両方楽しめるチェジュ島(済州島)です。日本から直行便で2〜3時間で行けるので、短い休みでもふらりと出かけられる気軽さも魅力。海風を感じながら島の日常に溶け込むように過ごす旅は、ひと味違った韓国を体感できるはずです。特に注目すべきエリアは、島の北西部にあるビーチタウン・翰林(ハンリム)。透明度の高さで知られる挟才(ヒョプチェ)海水浴場の周辺には感度の高い店が続々とオープンし、韓国内の若い世代も多く訪れています。見どころがコンパクトにまとまっているため、徒歩や自転車で気ままに巡れるのも旅行者にはうれしいポイントです。
■推薦者:地球の歩き方 arucoチェジュ島編 編集担当 大野麻里
2025年、複数の航空会社が成田-高雄便を就航し、台南への旅がぐっと便利になりました。高雄国際空港から台南市内へは鉄道や直通バスで1時間10分~1時間30分ほど。台湾の京都とも呼ばれる古都・台南は、日本統治時代の建物や家屋を百貨店やカフェなどにリノベーション、レトロな雰囲気漂う町並みが大きな魅力となっています。今、最も話題を集めているのが人気タウン正興街に立つ「西市場」。100年以上の歴史をもち、かつては南台湾最大の公設市場としてにぎわいました。2025年8月、3年半の歳月をかけた改修を経てオープン。市場内には、デザイン雑貨や日用品、スイーツやドリンクなど100以上の店舗と屋台が並びます。すぐ近くにはローカルグルメの宝庫・國華街があり、台南ならではのショッピングと食べ歩きが存分に楽しめます。
■推薦者:地球の歩き方 aruco台湾編 編集担当 富永直美
外交関係樹立から60周年を迎えるシンガポール。その北部に位置する、5つの動物園が集まる自然保護区「マンダイ・ワイルドライフ・リザーブ」では、シンガポール動物園、ナイトサファリ、リバーワンダー、バード・パラダイスに続いて、2025年3月に、動物たちが自由に歩き回る野生動物冒険パーク「レインフォレスト・ワイルド・アジア」が新登場。さらに、11月には保護区内初のホテル「マンダイ・レインフォレスト・リゾート by バンヤンツリー」がグランドオープンしました。熱帯雨林に溶け込むデザインのホテルで、野生動物の歌声を聴きながら眠りにつく特別な宿泊体験も! 子供連れでも夜遅くまでナイトサファリを遊び尽くせて、複数の動物園を2、3日かけてじっくり楽しむことができます。
■推薦者:地球の歩き方 編集室 鈴木優子
2025年に世界遺産となったベトナム北部の禅宗チュックラムの聖地。元軍を退けたチャン(陳)朝3代皇帝、チャン・ニャン・トンが退位後に開いた、ベトナム独自の禅宗チュックラム派のゆかりの地です。総本山イェントゥ山の麓から山頂まで、寺院や仏塔が点在し、豊かな自然のなかに石段が続きます。2本のロープウエイが運行し、休憩所や売店もあるので、巡礼はもちろん観光でも訪れやすくなっています。さらに布教拠点だったヴィンギエム寺、厳しい修行で知られるコンソン寺、軍師チャン・フン・ダオを祀るキエップバック祠など、歴史の核心に触れるスポットが点在。2026年はベトナム9番目の世界遺産で、精神文化と雄大な自然が響き合う、この地ならではの体験を楽しみたいものです。
■推薦者:地球の歩き方 編集室 今井歩
インド洋に面したチャングーは、ここ数年でバリ島を代表する人気リゾートへと進化しました。かつてはサーファーが集うローカル感あふれる漁村でしたが、最先端のラグジュアリーホテルやビーチクラブが続々とオープンし、世界中の旅行者を惹きつけています。そのなかでも、チャングー北西に位置するプレレナンは特に勢いのある注目エリア。英国誌 『Time Out』 の「世界で最もクールな町」ランキングで第3位に選ばれ、一気に脚光を浴びました。素朴な南国の風情と無国籍なムードが絶妙に共存し、ビーチではインド洋に沈む感動的な夕景を楽しめます。何より、プレレナン地区は人気レストランやカフェが集まるバリ島随一のグルメ最前線。ヴィーガン向けのダイニングも充実しており、感度の高い旅行者たちを魅了し続けています。
■推薦者:地球の歩き方 バリ島編 編集担当 小高雅彦
2026年1月からJALの成田便が新規就航するインドの玄関口デリー。デリーといえば、最近はおしゃれなブティックやカフェが立ち並ぶカーンマーケットやサウスデリーのあるニューデリーに注目が集まっていますが、あえて混沌とした旧市街オールドデリーに足を運んでみるのがおすすめ。ここはニューデリー駅の東側に広がるムガル帝国時代の面影を残すエリア。目抜き通りは、世界遺産に登録されているラールキラー(レッドフォート)から真っ直ぐに延びるチャンドニーチョウク。人出は多いものの、数年前に整備され歩きやすくなりました。しかし、本当のオールドデリーの楽しみ方はここからさらに細くて薄暗い路地に入ったところに! ムガル帝国の宮廷料理人が開いた名店カリームホテルで最高の北インド料理に舌鼓を打つもよし、地元の狭い食堂で一晩かけて煮込まれたニハリを熱々のローティ(パン)と一緒にかき込んでみるのもよいでしょう。昔と変わらないカオスなインドはすぐ足元に広がっています。
■推薦者:地球の歩き方 インド編 編集担当 松岡宏大
ここ数年多くの文化施設や美術館が続々とオープンし、世界から注目されているアブダビのサディヤット島。ルーヴル美術館の別館である「ルーヴル・アブダビ」をはじめ、2025年4月には没入型アートを体験ができる「チームラボ・フェノメナ・アブダビ」が、11月には「アブダビ自然史博物館」、12月には「ザイード国立博物館」がオープンと怒涛の開館ラッシュ。さらに2026年には世界で4館目の「グッゲンハイム美術館」の開館が予定されています。施設が一堂に会するこのエリアは「サディヤット文化地区」として整備され、趣向を凝らした建築も圧巻で見応えたっぷり。2026年はアブダビで、どっぷりアートに浸る旅を楽しみたい。(12月24日 深掘り記事予定)
■推薦者:地球の歩き方 編集室 日隈理絵
ピラミッドにスフィンクス、王家の谷——悠久の歴史が息づくエジプトに、注目の新スポットが誕生しました。その名も「大エジプト博物館(Grand Egyptian Museum、通称GEM)」。2025年11月にグランドオープンしたばかりの本館は、単一文明を扱う博物館として世界最大級の規模を誇ります。最大の見どころは、ツタンカーメン王墓から発見された副葬品のコレクション。黄金のマスクや儀式用の寝台や戦車など、5000点を超える宝物が史上初めて一堂に展示され、間近で鑑賞することができます。建設および遺物の保存修復には国際協力機構(JICA)を通じた日本の支援もあり、日本語の解説文やオーディオガイドが整備されているのもうれしいポイント。館内からはギザのピラミッド群も一望でき、ロマンあふれる特別な体験がかなう、2026年必訪の注目施設です。(12月17日 深掘り記事予定)
■推薦者:地球の歩き方 エジプト編 編集担当 大和田聡子
「サハラは遠すぎる。もっと気軽に砂漠に行ってみたい」という観光客に人気を集めているのが、モロッコのアガファイ砂漠。マラケシュの南西約30km、車で1時間弱でアクセスできるアガファイは、ラクダ乗りやクアッド(砂丘バギー)といった人気アトラクションを日帰りで体験できます。しかし、アガファイの真骨頂は別のところにあります。そもそもアガファイの始まりは、約25年前に馬に乗ったひとりの男がこの荒れ野に小さなオアシスを発見したことに遡ります。2003年、彼はここに「LA PAUSE」という小さなリゾートを作りました。本当のアガファイを体験したいのであれば、ぜひ「LA PAUSE」に1泊してみてください。都市生活から隔絶された、大人のための砂漠リゾートです。
■推薦者:地球の歩き方 モロッコ編 編集担当 松岡宏大
2025年のG20開催国で、持続可能な観光開発に力を入れていることを宣言している南アフリカ。特にケープタウン一帯は、アフリカ大陸南西端の喜望峰、ケープペンギンが間近で見られるボルダーズビーチ、奇岩テーブルマウンテンやライオンズヘッド、ワインの大産地ケープワインランド、開放的な港町の雰囲気など、多彩な魅力があります。またケープタウンのさらに東南岸一帯は、その美しい景観から「ガーデンルート」と呼ばれ、草食獣を中心とした本格サファリが楽しめる私営グランピング施設が多数点在。日本と同じ右ハンドルなので、レンタカーでこの地域を巡るのもおすすめです。治安面が心配される国ですが、空港から直接レンタカーなら危険エリアに近づくこともなく安心して旅できます。
■推薦者:地球の歩き方 編集担当 伊藤伸平
2019年10月31日、日本中に衝撃的なニュースが走りました。それは、沖縄を象徴する首里城、その正殿が無残にも焼け落ちる姿。多くの沖縄県民が涙したあの日から約7年。長い歳月をかけた復元工事は進められ、2026年秋、ついに再建が完了する予定です。焼損後、首里城では「見せる復興」をテーマに掲げ、復興作業を一般に公開してきました。歴史と文化を未来へつなぐ新しい首里城を、その完成とともに訪れてみませんか?
■推薦者:地球の歩き方 沖縄編 編集担当 田中健作
2025年、日本映画最大のヒット作である『国宝』。吉沢亮や横浜流星をはじめとする俳優陣の熱演や映像美で多くの観客を魅了しました。この映画がきっかけで歌舞伎に興味をもち、歌舞伎座へ足を運ぶ人も増えているそう。歌舞伎の源流をたどると、室町時代に庶民の間で流行した「風流踊り」や、江戸時代初期に京都で流行した出雲の阿国(おくに)による「女歌舞伎」へと行き着きますが、その実像を知る人は多くありません。しかし、その面影が今なお残る伝統芸能が、新潟県柏崎市に伝わる「綾子舞」。映画をきっかけに歌舞伎に注目が集まる今こそ、その原点に触れる旅へ出かけてみたいものです。(12月24日 深掘り記事予定)
■推薦者:地球の歩き方 新潟編 編集担当 松岡宏大
2026年の大河ドラマ『豊臣兄弟!』で脚光を浴びる豊臣秀吉ゆかりのスポットのなかでも、ぜひ訪れたいのが大阪城公園内の「豊臣石垣館」。2025年4月にオープンした同施設では、豊臣期の大坂城を支えた貴重な石垣を、発掘調査の成果とともにわかりやすく展示しており、秀吉が築いた“大坂城の原点”を実物と映像で体感できるのが最大の魅力です。現在の大阪城の石垣や堀は徳川幕府による再築時のもの。自然石をそのまま積んだ“野面積み”の構造や、大坂夏の陣で焼けた痕跡が残る石など、400年以上地中に眠っていた豊臣期の石垣はここでしか見られません。大阪観光の途中で気軽に立ち寄れるアクセスのよさもあり、歴史ファンにも初めて訪れる人にもおすすめしたいスポットです。
■推薦者:地球の歩き方 編集室 池内宏昭