特集「今、こんな旅がしてみたい!」
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日本から南に約3000km。大小586からなる小さな島国、パラオ共和国。人が暮らしているのはわずか9島で、世界中のダイバーが憧れる場所と称されるフォトジェニックな海や緑深い島々には手付かずの自然が残り、まさに動植物たちの楽園ともいえます。新日国でもあるパラオは、今もなおパラオ語になった日本語があるほど日本と文化的な関わりが多く、実は日本人観光客にこそ訪れてほしい旅行先なのです。2025年10月29日には、ユナイテッド航空が日本(成田)とパラオ(コロール)間を結ぶ直行便の就航をスタート。約5時間で圧倒的な大自然と一体になる体験ができるようになりました。今回は、パラオ旅行をより楽しめる魅力や見どころ、文化などをご紹介します。
2025年10月29日より、日本(成田)とパラオ(コロール)間を結ぶ直行便を新規就航したユナイテッド航空。これまではグアム経由が基本でしたが、約5時間のフライトでパラオにアクセスできるようになりました。成田発、コロール着の便は週2便で、水曜日・土曜日の17時55分発、コロール着22時50分(現地時間)。コロール発、成田着の便は木曜日・日曜日の11時25分発(現地時間)、成田着16時となります。ちなみに日本とパラオ間には時差がないので、体への負担が少ないのも訪れやすいポイント。
| 便名 | 出発地 | 出発時間 | 到着地 | 到着時間 | 運航曜日 |
| UA143 | 東京(成田) | 17:55 | パラオ(コロール) | 22:50 | 水・土 |
| UA142 | パラオ(コロール) | 11:25 | 東京(成田) | 16:00 | 木・日 |
時刻はすべて現地時間。詳細は公式ページをご確認ください
海が美しい国や島は世界中にたくさんあるけれど、パラオは別格。ダイバーでなくとも、一度ホテルの目の前のビーチでよいので、ゴーグルを着用して海に顔をつけてみてください。色とりどりのトロピカルフィッシュやサンゴ、イソギンチャク、巨岩かと見間違うほどのサイズのシャコ貝など、ちょっとした水族館が広がっています。そしてボートに乗り込み、ロックアイランドをはじめとした島々に出かければ、乳白色の美肌効果のある海やジェリーフィッシュが輝く黄金色の海、太陽の光が届かないほどの深さで思わず恐怖すら感じる紺碧の海など、ひと言で言ってもさまざまな顔をもつ海に出合うことができるのが、パラオの最大の魅力。また、各島へはツアーで訪れるのが基本ですが、日本語がわかる会社もあるので安心して参加できるのもうれしいポイント!
パラオには数々のダイビングスポットやスノーケルスポットがありますが、手軽にパラオの海の偉大さを堪能するならビッグ・ドロップオフがおすすめ。ダイビングスポットとして有名ですが、スノーケルでも十分に楽しめます。
ホテルの前のビーチが水族館なら、ここのサンゴ礁はさながら竜宮城のような華やかさ。珊瑚の美しさに気をとられていると、急に海底がほぼ垂直に深く切れ落ちている崖が待っています。その深さは約600mで、透明度が高いものの海底は見えず、じっと見つめていると深く濃い海の青に吸い込まれそうになるほど。その崖にはきらびやかなイソバナやサンゴ、イソギンチャクなどと共生するカラフルな魚たちが優雅に泳ぐ一方で、巨大なナポレオン・フィッシュやウミガメ、サメなどの大物にも出合えます。ビッグ・ドロップオフには、ツアー会社やダイビングショップのツアーで訪れるのが基本です。
ビッグ・ドロップオフの詳細情報
こちらもツアーで訪れることができる、パラオで最も有名な純白のビーチ。干潮時にしか現れない「サンドバー(砂州)」で、オモカン島とヨルオモカン島(おじさんアイランド)の間をクリスタルブルーの海にハケですーっと線を引いたかのように道が延びています。
天気がよい日は特に絶好のフォトスポットで、遠目から撮影するとまるで海の上を歩いているように見えるのが特徴。潮の関係で1日に1回しか現れない幻のビーチのため、観光客に大人気です。ウミガメの産卵地でもあり、孵化したカメの赤ちゃんが続々と海へ帰る幻想的なシーンを目撃することができるかも。
ロングビーチの詳細情報
海の人気スポットはまだまだありますが、パラオの歴史スポットもぜひ訪れてみてください。バベルダオブ島は、美しいジャングルやビーチなどが広がるパラオ最大の島。その最北端アルコロン州にある古代遺跡がバドルルアウのストーンモノリスです。
「ストーンモノリス」とは石碑のこと。ここには、重いものは5トン以上あるといわれる玄武岩の一枚岩が、50基以上並んでいます。しかし、使用されている玄武岩はパラオでは産出されない鉱物であり、いつ、誰が何のために作ったのかはいまだ謎のまま。ストーンモノリスのなかには、ストーンフェイスと呼ばれる人間の顔や猿のような顔が彫られたものもあり、そのミステリーに思いをはせてみるのも楽しそう。レンタカーなどで入場料5ドルを支払えば、個人でも訪問可能です。
バドルルアウのストーンモノリスの詳細情報
手付かずの大自然が残るパラオ。実は第二次世界大戦の終わりまで日本が統治しており、日本人が実際に生活し、農業や漁業、養殖業を営んでいました。そのため、現在もパラオの言語や文化には日本からの影響を垣間見ることができます。例えば、「アジダイジョウブ(=美味しい)」や「ツカレナオース(=ビールを飲む、乾杯)」、「アイコデチョ(=じゃんけん)」、「ゴメン(=ごめん)」、「オジサン(=おじさん)」など約1000語の日本語由来の言葉が存在するといわれています。
現在でも日本とパラオは経済的な結びつきが強く、世界有数の親日国。日本とパラオには時差がなく、治安もよいことから、家族旅行にもぜひおすすめです。パラオには巨大なショッピングモールやトレンドのお店、近未来的な設備はありませんが、あたたかい人々と美しすぎる海や自然があります。デジタルデトックスをして海や自然を満喫すれば、きっと心も体も軽くなるはず。たったの5時間でたどり着けるようになった楽園に、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか?
推薦者:原万有伊(地球の歩き方パラオ編 編集担当)