トレド大聖堂

更新日
2023年1月17日
公開日
2022年9月29日
AD

大司教座のあるトレドにふさわしい大聖堂を建設しようと、フェルナンド3世の命により1226年に着工、1493年に完成した。建築家であったグレコの息子ホルヘ・マヌエルも、塔の一部を担当したといわれている。

聖堂内は豪華な装飾で埋め尽くされているが、なかでも最大の見どころは、内陣の裏にあるトランスパレンテ。天使や聖母像などバロック様式の装飾が施されており、後方からの光がその美しさを際立たせている。内陣にはキリストの生涯20場面を表した木彫りの衝立が置かれ、トランスパレンテの穴を通って差し込む光が祭壇前の聖櫃を照らし出す。

聖堂中央にある上下2段の聖歌隊席は、上がルネッサンス様式、下がゴシック様式。16世紀の彫刻家アロンソ・ベルゲーテによるグラナダ戦争の場面が彫られており、下の聖歌隊席の後ろにある創世記のレリーフも興味深い。

宝物室には、イサベル女王の王冠や、金、銀、宝石で飾られた聖体顕示台などが展示されている。高さ3m、重さ約200kgの顕示台は、聖体祭のときにトレドの町を行進する。

また聖具室は美術館になっており、エル・グレコの初期の傑作『聖衣剥奪El Expolio』をはじめとする宗教画、ゴヤ、ティツィアーノ、ヴァン・ダイクの作品を観ることができる。

写真

  • バロック様式の傑作トランスパレンテ
  • 壮麗な装飾が施された聖堂内部
トップへ戻る

TOP