キーワードで検索
南ベトナム政権時代、独立宮殿と呼ばれた旧大統領官邸。現在の建物はフランス統治時代のノロドム宮殿があった敷地に1962年から4年間かけて建てられた物で、大小100以上の部屋と、屋上にはヘリポートまである。
正面入口から入ると右側に内閣会議室、左側に宴会室、大統領と副大統領の応接室などが並んでいる。官邸の中で最も豪華なのは、各国の大使が大統領に国書を呈上した部屋で、壁面は大きな漆画で飾られている。上階は大統領とその家族のためのスペースで、大統領夫人の宴会室や娯楽室、映画室などがある。最上階は展望台となっており、ここからかつて解放軍の戦車がやってきたレユアン通りが眺められる。地下に下りると一変して、秘密の軍事施設。ベトナム戦争中に使われた大統領の司令室や暗号解読室、アメリカと連絡を取り合った放送局などが残されている。
1975年4月30日、解放軍の戦車がこの官邸の鉄柵を突破して無血入城を果たし、事実上ベトナム戦争は終結した。現在は統一会堂と呼ばれ、国賓を迎えるときや会議に使われるとき以外は、一般に公開されている。