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今月16日から20日まで、パリ北郊外ビルパントの展示場で防衛装備の見本市「Eurosatory(ユーロサトリ)」が開かれています。本国フランスをはじめ英国、イスラエル、米国など各国の軍事・セキュリティ関連企業が中心になりブースを出しているのですが、今回はその中に日本パビリオンができました。
日本からは三菱重工、日立製作所、川崎重工業など、国内大手企業も参加しています。日本国内では、今回のまとまった出展に賛否両論あるようですが、純粋に展示会として見ると、本物の軍事用車両やヘリコプターに乗り込めたり、銃に触れられたり、かなりの満足度は高いです。
武器を情報として頭で理解するだけでなく、このような場所で実物を見たり触ったりすると、「ここでは普通に引き金引けるけど、もしこれに弾がこめられていたら人を殺せるんだな」とか、「戦場でこんな装甲車を目の前にして自分1人だったら、どうなってしまうのだろう」など、リアルに考えてしまいます。防衛産業はその国の最先端の科学技術が詰まったものです。そのため見ていてかっこいいと思う気持ちもありますが、実物に触れてみて、私はできれば使いたくないなと思いました。
戦争が無いに越したことはないですし、世界から武器なんてものは無くなればいいと思います。しかし平和というのは、各国の利益と微妙な軍事バランスの上に成り立っている側面もあるわけです。悲しいかな、これだけ世の中に人間がいると平和なんて、そうそうやってきません。
武器輸出解禁に賛成でも反対でも、どちらの人も、とにかく一度実物に触れてみると、1つの経験になって良いと思います。そういう点でユーロサトリのような展示館は、防衛産業関係者以外でも楽しめる、見本市の1つではないでしょうか。