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百万本のバラの花。府立植物園。

Akio

Akio

京都特派員

更新日
2014年6月4日
公開日
2014年6月4日
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京都府立植物園のバラ園には、モダンローズを中心に、約300品種2,000株の

バラが咲いています。バラの花は、六月半ば位まで楽しめるそうです。

《京都府立植物園》

〇 京都市左京区下鴨半木町1丁目 Tel : 075-701-0141

〇 営業時間 9:00〜17:00(入園は16:00まで)

〇 入園料一般 200円 高校生 150円 小・中学生 80円

薔薇の花と言いますと、「百万本のバラ」の歌が浮かんで来ます。

歌詞は、

「小さな家とキャンバス ほかにはなにもない

貧しい絵描きが女優に恋をした 大好きなあの人に

バラの花をあげたいある日町中のバラを買いました」

・・・・・・・・と歌われていました。

歌は何分かの間に 壮大なドラマを創り上げると言いますが、

この歌は まさしく 人生を短編映画の様に描いて行きました。

歌には、二人の登場人物(女優と画家)と薔薇の花が出て来ます。

この歌は、グルジアの画家 ニコ・ピロスマニが

女優マルガリータに恋をした逸話で、ラトビアの作曲家が作った曲に、

ロシアの詩人が詩をつけて生まれています。

グルジア は、かつての旧ソ連邦の国。

西は黒海に面し、北はロシア、南東はアゼルバイジャン、南はアルメニア・

トルコに接する国。

ピロスマニは グルジア東部の村に生まれました。若者になり、多くの仕事をしますが、

体が弱く 人付き合いも上手く出来ない彼には、どの仕事も長続きしませんでした。

その後、好きだった絵を独学で学び、画家の道に入ります。

グルジアは、革命へと向かいつつある時代。

彼は、居酒屋やレストランの壁に、絵を描いて日銭を稼ぎ、画業を続けたそうです。

画家ピロスマニの名は、一旦はロシア画檀からも注目されますが、

独特な画風ゆえに大きく脚光を浴びる事はなかったそうです。

1894年。

フランス人女優『マルガリータ』が彼の住む町を訪れました。

その時、彼女を一目見た彼は瞬く間に恋をしました。

彼女に恋したピロスマニ。

その思いを届ける為に 彼女の泊まる ホテル前広場を

薔薇の花で埋め尽くしたと言われています。

百万本の薔薇。

現在、日本の花屋さんのHPでは、安い薔薇でも1本220円からと載っています。

それが百万本とは、当時の値段でも凄い価格になります。

思いを託した、薔薇の花。宿泊したホテルから見た、彼女には

どう映っていたのでしょうか。

思いの届かなかったピロスマニは、その後 放浪の旅に出ています。

そして、15年後に「女優マルガリータ」を描いています。

1918年、貧困と失意のうちに彼は、亡くなりました。

没後数年してから画家ピロスマニの名は、グルジアを代表する

画家として再評価されました。

ピロスマニは『女優マルガリータ』を、モデルにした作品を

何枚か残していて、グルジア国立美術館では『女優マルガリータ』の絵を

観る事が出来るそうです。

時を経た、1969年・・・・・・・

パリで、ピロスマニの個展が開催された時には

マルガリータ本人が現れたそうです。

府立植物園に咲くバラの花に、女優と画家の物語を思いました。

(6月お題"お花")でした。

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