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右京区、嵯峨の大覚寺です。
大覚寺では弘法大師『空海』の、 命日前日にあたる 二十日の夜は、「宵弘法」でした。
この夜は 広く寺院が 開放されています。
大覚寺は 平安時代初期に在位した嵯峨天皇から始まりました。
嵯峨天皇の、信任を得ていた空海が、寺院内に堂を建て、
修法を行ったと されています。
大沢の池では、万灯の光が浮かんでいました。
千二百年の歴史を誇る大覚寺。
池は、観月の池として造られています。
この夜、池の畔には、桟橋に「施餓鬼棚(せがきだな)」を設け、
亡き人の菩提を祈る法会が行われ その後、池の中央の祭壇に火を灯し
先祖の霊を送る「嵯峨の送り火」が行われます。
お坊様が 御真言を お唱え されました。
御真言は、静かな池に 響いていました。
桟橋から 炎を持って乗り込まれると 船は 静かに出て行きました。
船は、池の中に設けられた 祭壇を目指しました。
「嵯峨の送り火」の祭壇が 燃え上がりました。
燃え上がる炎は 池の周りを 明るく 照らし出していました。
池の水面に 炎が 映って、時折 炎の パーンという 音が響いていました。
この夜「嵯峨の送り火」は 静かに燃え上がっていました。
火の明かりで 池の蓮の葉が 見えました。
八月二十日 大覚寺・宵弘法の夜でした。