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4月25日の大地震から1か月が過ぎた5月27日、震源地からも近いゴルカ王宮を訪れました。
1回目、M7.8の地震の震源地だったのは、ゴルカ郡のバルパク村という場所。ゴルカ旧王宮のあるエリアまでは、直線距離にして25km程しか離れていません。
ニュースなどでは、震源地バルパクの被害は壊滅的、という報道をしており、震源地から近いゴルカの被害も懸念していました。
道中や視界に入る範囲の村々の被害状況はカトマンドゥや周辺地域と似たような感じで、全くなんともない家もあるかと思えば、倒壊したり亀裂が入ったりして住めなくなっている家もあり、被害の出方にかなり差があります。壊滅的ではありませんが、被害を受けた建物もあり、瓦礫が積まれているのも目にしました。
旧市街を抜けた丘の上にある王宮は一部被害があり、立ち入り禁止の貼り紙が。
ぐるりとそびえる石造りの高い城壁にも崩れている部分があり、修復にあたる作業人の姿も。
王宮へと続く小さな門の屋根も、一部崩れ落ちています。
警備にあたっていた兵士にカトマンドゥから来た旨話すと、特別に中に入れてくれました。ただし、余震で屋根等が崩れる危険性もあるので、すぐに立ち去ることを条件に。
ところで、ネパールには、子が誕生した後、生まればかりの子供とその母親を、温めた菜種油でマッサージをしてあげる習慣があります。
1769年にネパール統一を果たしたプリティビ・ナラヤン・サハ元国王がこの場所で生まれた際にも、温めた油でマッサージをしてあげたそうですが、油を温めるために使ったという火はずっと燃やしつづけられているそうで(警備にあたっていたネパール兵談)、上の写真には写っていませんが、その煙が上がっているのが見えました。
見学者も全くいない静かな時間が流れる中、伝統楽器を鳴らしながらの、ささやかな宗教儀式も行われていました。
見張り傭員のはずのネパール兵が、のどかな宗教音楽をBGMに、鐘の下で気持ちよさそうに昼寝をしていたのが印象的でした。(最後の写真中央)
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余談。今回の震源地のゴルカ郡バルパク村。一般的な旅行者エリアではなく、今回初めて名前を聞いた人がほとんどでしょう。
しかし、何気なく、手元にある18年前(1997年)発行の地球の歩き方を見ていたところ、ゴルカのページにわずかに地名と村の様子が出ていました。