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長期化している南ネパール地方のストライキにより、インドから運ばれてくる物資がカトマンドゥ市内に十分に届いていません。
市民生活だけではなく、旅行者の皆さんにも、影響が出ています。
● ガソリン/ディーゼル不足の影響
カトマンドゥでは、1年以上前から慢性的に石油製品が不足している状態が続いており、ガソリンスタンドは、休業していた日のほうが多いほど。営業している時には、写真のような、何重もの長蛇の列(本当に、終わりの見えない長い列なのです)が出来ていることがほとんどです。
現在、特にその状況が激しくなってきており、数時間列に並んで、配給されるガソリンやディーゼルはわずか。ディーゼル不足のため、市内を走るバスや、ツーリスト用長距離バスなども、本数が減らされたり、運休となっている路線などもあります。
交通ルールによると、市内バス運行の際、通常は屋根に乗客を乗せたり、ドアを開けっ放しにしたままで運行することは認められていないようなのですが、現在は、車内に詰め込めるだけ詰め込んで運行している状況で、屋根まで乗客があふれていようが、出入り口の階段まで人がぶら下がっていてドアが閉められない状況であろうが、交通警察も大目に見ているようです。(かなりエキサイティングな光景で、乗ってみたくなる旅行者の方もいるかもしれませんが、危機管理的にはかなり危険です)
地元ネパール人がタクシーを利用しようとしても、メーターでは行ってくれず、通常の2倍以上の値段を要求されることも。状況が状況ですから、交渉はするものの、最終的にはみんな支払っています。
しかし、このような状況などお構いなく、無理な値下げを要求するのが、(バックパッカーなどの日本人を含めた)一部の旅行者。
ガイドブックや、ネット上で得た情報を鵜呑みにし、現在の価格を『ボラれている』と思い込み、そしてさらに『自分が値下げを要求しなければ、後々の旅行者にも影響が出る!』という誤った無意味な使命感を沸きたたせ、タクシーを利用する際にも、無茶な値下げをし、それを誇らしげに語るツーリストを見かけることがあります。
現在の状況を少しでも理解していただきたいものです。
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石油製品不足とは関係なく、現在、ネパール国内の電気が引かれている地域では、ほぼ毎日『計画停電』が実施されています。1日に8時間ほど、電気が使えなくなります。
ホテルなどでは、停電中は『自家発電機』を使って電気を供給するところもありますが、『自家発電機』の燃料となる『ディーゼル』不足の影響で、十分に発電機を作動させることができなくなっているホテルも出てきています。
特に、中級レベルのホテルなどが、『発電機はあっても動かせない』状態に陥っているところが多いようです。
高級ホテルの場合は特に心配ありません。また、安宿には発電機自体がありませんので、停電中はろうそくの明かりのみが頼りです。
停電時間は、地区によっても異なり、また、同地区内でも毎日異なります。朝早く出発するため、身支度を整えなくてはいけないのに、電気がなくて不便、とか、夜寝る前にシャワーを浴びたいのに、真っ暗闇で不便、などという状況に遭遇しやすくなっています。
旅行者の利用の多い『タメル地区』の停電時間割については、以前このブログでも記事にしていますので、ご参照ください。
● 調理用ガス不足の影響
予備ガスが不足しているレストランなどでは、ガスを多く使う料理のオーダーを受け付けないところも出てきています。または、何件かのオーダーをまとめて調理するため、時間が非常にかかることなどもあるようです。
それでなくても、ネパールのレストランでは、注文してから 1時間近く経ってやっとオーダーした食事が出てくる、ということも、ザラ。
気持ちに余裕を持って旅をしたいものです。
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このように、日本では考えられない状況が、普通に起こっているネパールですが、このような状況を理解した上で、ネパール入りされることをおすすめします。