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アルゼンチンの家庭料理の一つに ニョッキ (ñoquis)があります。
毎月29日は、ñoquis (gnocci) ニョッキの日です。
イタリアで8世紀から聖人を称えてささやかな食卓という意味で、じゃがいも、小麦粉と水でできる簡単でありおいしい食べ物、ニョッキが食されていました。
それを懐かしんでブエノスアイレスにやってきたイタリア移民達が1970年代 寄り集まって共に食卓を囲んでいたともいわれ、特にパスタの中でもアルゼンチンの大人から子どもに愛されているのが、ニョッキです。
それ以降、月末の29日はこのパスタを食べ、そして、各自お皿の下にお金を入れます。来月もこのようにご飯を食べるお金が不足しないように願ってですし、そして、このお金を寄付する人もいたようです。
29日、ブエノスアイレスの町の食堂では29日はニョッキ(スペイン語の綴りは複数形になっています)NOQUISとメニューを出していることが多いです。
家庭でも、いつも何を作ろうかと頭を悩ます主婦もあら、今日は29日ね。ニョッキにしましょう、ということになる定番メニューです。じゃがいものパスタで、月末支払いの給料日最後の日をしのぐ節約メニューでもあります。
なお、アルゼンチンの隠語的に、そのため、あまり仕事をしないで、給料をもらっている人のことをニョッキと言います。どうも、29日給料支払い日の前日にやっと職場に顔を出す公務員から起源のようです。(ちなみに政治力のおかげで、名前をつらねている人のことであって、一般的な公務員への俗称ではありません)そのため楽して給与をもらっている人にこういってからかうこともあります。
現在のニョッキの儀式は、上記の伝統のように、毎月29日にニョッキを食べる際、お皿の下に紙幣を入れておき、それが増えるように、願います。次の30日、ご飯がまた続けて食べられるように。
そうやって毎月ニョッキを食べているイタリア系伝統家庭もまだまだアルゼンチンには少なからずいます。
なお、かかっているソースはエストファードEstofado と言って、大きな肉のかたまりをゆっくりトマトソースで煮込んでいます。
アルゼンチンではトッゥコ (tuco) というトマトソースに続いて定番ソースです。日本人的にはなかなか豪華であまり清貧メニューには見えません。
(豪華だけではなく豪快です!!!)
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