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3月も10日をすぎると、もう涼しい冷たい秋風が吹き始め、夏休みから戻って日常が始まり、ブエノスアイレス市民の熱気が少しさめかけたこの頃、アルゼンチン人の心を熱くしてくれたのが新ローマ法王にアルゼンチン出身のベルゴリオ枢機卿が選出されたという明るいニュースです。(主観的アルゼンチンブエノスアイレス事情ブログに第一報を載せました)http://blog.livedoor.jp/tomokoar/archives/51992916.html
去る3月13日、アルゼンチン出身のホルヘ ベルゴリオ枢機卿が新ローマ法王に選出されました。このニュースはイタリアとは地球の反対側のアルゼンチンの午後 ゆっくりお茶を飲んでくつろぎ 井戸会議をしていたおばさま達の、喜びのキャーと歓声を聞いて何事か!と思ったのが私にとっては第一報でした。
なじみのパレルモのパン屋モンドラゴンにて、ちょうど日本語のプライベートレッスンをしていたところでした。お客さんだけではなく、従業員もそしてオーナーも喜びの抱擁をかわし、涙さえ流している人もいました。
そのまま電話が鳴り始め、緊急取材体制入りました。だいたい、このベルゴリオ枢機卿は前回も候補に上がり、今回はブラジルの候補が有力であろうと言われていただけに、候補になっても「まさか」選ばれるとは、アルゼンチンのマスコミも国民も実は、
寝耳に水の話であったのです。
今回の取材は、日本時間はNHK の14日のお昼のニュースとなり、
「喜びにわく母国アルゼンチン」として放送されました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130314/k10013192651000.html
ブエノスアイレスは折しも雲がかかり、雨が降るかも、とうちの娘は傘をもたせてくれたりしたのですが。。。
なんと、スペイン語ではcelestialという空からの奇跡でしょう!カテドラルこと大聖堂へ向かう途中でなんと空が晴れ始めたんです。
またちょうど大統領府方面の5月広場の入り口の閉鎖+夕方の帰宅ラッシュが重なり、
渋滞になってしました。
この時点で、カメラマンはバイクに乗せてもらう!と出てダッシュ。。。
私は車でそのまま現場方面へ。大統領府前でそのまま進めないので、左に行ったドライバーにここで降ろして!と叫び、ちょっと緑の中央分離帯に寄せてもらったら、そのままふと、ドライバーは右に車を切ると、バリケードは道路側だったので、大統領府のサイドの門側は抜けていて、そのまま国立銀行側にさっさと進むことができ、大聖堂の比較的近くまで車両を持っていくことができたのです。。。。火事場の運でしたし、これも神の導きかもしれません。。。
さて到着しましたが、人はまばらとおもいきや。。。大聖堂の中は満員です。
ミサ中、まさかカメラもって押せ押せもできないですしね。
しかしながら、出てきた人々や集まった人々にインタビューができました。
皆さん、本当に感激の表情でした。さらに、普通、こんなのって、ワールドカップで
アルゼンチン代表が勝利したときのようでしたね。もちろん、ダレ カンペオン!
「やったね、勝利者!」という飛び跳ねて祝う行動も見られましたので、まるでサッカーです。。。
それ以上にサッカーのときにはまあまあの多くの女性の時に、若い女子高生の姿が目立ちました。(もちろん男の子もいましたが)
もちろん敬虔なカトリック教徒の皆さんも喜びに溢れ、教区グループや青少年集団とそれぞれが集まってきましたので、私がふと思いましたのは、なんだか、比較的中の上から上流の方が多いなーということです。。。
というのも普通はこんな集まりってまるっきり庶民なんですが、そこまで庶民じゃない人たちがたくさん集まって、祝って、抱き合って、泣いて、震えて、喜びを分かち合っている姿でした。。。
そこで、今回の取材では関係ないし、なかなか日本の皆さんにわかってもらえないでしょうから、ちょっと取材中のアルゼンチンの局の記者にインタビューしました。
すると、なかなかいい点をつくな、とほめてくれながら、「これが教会の矛盾、貧しい人たちのため、といいながら、やはり金持ちと仲良くしないと協力してもらえないという訳さ、だから、貧しい人たちを呼びながら、金持ちに協力を願い、彼らも対象としたことをしなければならない、なかなか大変なんだよー」と説明が大変そうでした。。。
(ブラジルからのアナウンサーは美人でした!)
そんなことを思いながら 夜も更けていきました。
さて、今回のローマ法王もとても人間的なところを見せてくれる訳を説明しているのが
http://archive.mag2.com/0000117212/20130316134315000.html
の拙稿です。
イタリア移民の子としてブエノスアイレス市に生まれた普通のアルゼンチン人で、マテ茶は飲むし、サッカー大好き、バスや地下鉄などの公共交通機関を普段から使い、さらに
ビジャと呼ばれる貧民街での信仰を振興していました。清貧をこれから見直そうとバチカンの改革にもつとめるそうですし、だいたいユダヤ教徒との歩み寄りにも近い、アルゼンチンではユダヤ人とも友人です。
そして、平易な言葉で誰にでも、また心を打つ言葉を放つベルゴリオ枢機卿、あらため、フランシスコローマ法王は、その名をフランシスコ デ アシスという同じく、贅を尽くし始める教会に警笛を鳴らした聖人であり、アルゼンチンでは恵まれない人たちへの守り神です。
奇しくもアルゼンチンサッカー協会の練習場にあるチャペルもそうだそうで、そんなブエノスアイレスサッカー界からの話を
Numberでガルシア千鶴さんのコラムで読むことができます。
レティロ地区付近のビジャ トレインタイウノ(31)の皆さんです。低所得階層住居地帯の人々ですが、信仰は厚く、特にこのベルゴリオ枢機卿が力を入れて布教に尽くした場所です。同じように祝う姿に本当に違いはない、そしてこのアルゼンチン人なら、こみ上げてくる熱い感情を ブエノスアイレスの多くの人と共有することができました。
次は月曜日の夜から教会関係者は 大聖堂でミサを行い 大画面が投影され、ローマと一体になるのだそうです。それから同じく19日火曜日は、朝市民が見られるように7月9日大通りも大画面が設置されます。そのためブエノスアイレス市立の学校は午前中は休校です。渋滞も予想されるでしょう。この日に普通に仕事をしようと思ってもきっと
無理だと思いますので、宗教心ある人もない人も、ブエノスアイレスにいたらこの一代イベントを共有しましょう。
しかしこの熱い思いは別に
カトリックだからとか、なんかそういうものじゃないです。
私自身もブエノスアイレス在住23年、これ、本当に国民感情なんです。
すごい!やったアルゼンチン!それしかありません。。。
実際、うちの夫も一応生まれたとき洗礼はされていますが、それでも
全く教会信じていないのに毎日 フランシスコーグレゴリオとニュースを追っています。多くのアルゼンチン人が同じことをしていて、それをエピソードとして
市囲のスーパー、学校、ママ友の井戸端会議まで、ローマ法王ニュース一色になったのは
前代未聞でしょう。
なお、グレゴリオ氏が就任が決まったことに「世界の果てまで探しに行かれて」と本人が軽くジョークを行っていましたが、これこそ、母をたずねて三千里ならず、パパ(法王のことです)をたずねて三千里でした!という行けたジョークをtwitterで拾いました。
イエズス会出身なので、その総本山コルドバ市でも教会前はにぎわっていたそうです。
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