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ラスベガス・ダウンタウンで余生を過ごすネオンサインたち

石川 葉子

石川 葉子

アメリカ・ネバダ州特派員

更新日
2011年6月13日
公開日
2011年6月13日
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ラスベガスの街中にあふれるネオンサイン。

いつもぎらぎらと輝き続けていますが、時代とともにその姿は変わっています。

写真や映画の中でよく目にする、電球やネオン管で作られていた手作り感たっぷりのネオンサインも、

いまや主流はスマートなLED大画面広告。

でもちょっと泥臭いけれど温かみのある古いネオンサインに心惹かれるのは、私だけではないはず。

で、以前に役目を終えた ネオンサインたちの「墓場」のことを書きましたが、

今日は墓場から蘇り、ひっそりと余生を過ごしているネオンサインたちの話です。

ダウンタウンで人気の映像アトラクション「フリーモントストリート・エクスペリエンス」。

実はこのアーケードで覆われたフリーモント・ストリートには、"Fremont Street Gallery(フリーモントストリート・ギャラリー)"と

名付けられたネオンサインのギャラリーがあります。

これは、「ネオンミュージアム(ネオンサインの収集・修復・展示を目的とした非営利団体)」によって作られたものですが、

ギャラリーとは言っても、博物館やアートギャラリーのような屋内に展示されているものでなく、

フリーモントストリート・エクスペリエンスのネオノポリス側の入り口から4Qeensの間に、

9体のネオンサインが何気なくディスプレイされているもの。

ネオンサインとともに説明がつけられているので、いつ頃・どこで活躍していたネオンなのか

わかるようになっています。

いくつかご紹介してみますね。

ここラスベガスで100年以上の歴史を持つ乳製品メーカー Anderson Dairyのマスコットでした。

(もともとAnderson Dairyは、今のダウンタウンの周辺に酪農場を作り、牛乳の生産・販売を

始めたのだとか。その頃は、毎日馬車で新鮮な牛乳を配達してたそうです。)

1956年生まれのこのアンディのネオンは、現役引退後修復されて1997年からWalgreens前にたたずんでいます。

ラスベガス・ブルバードとフリーモント・ストリートの交差点で上を見上げればそこにいる、

"The Hacienda Horse and Rider"。

このネオンがあったHacienda Hotel (Resort)は、1996年まで今のマンダレイベイホテルの場

所にあったリゾートホテル。

今は引退してしまったマジシャン・ランスバートンが、マジックショーの公演を始めたホテルでもあります。

このカウボーイのネオンは、1967年生まれ。

修復後にフリーモントストリートに蘇った最初のサインでもあります。

ストリップ沿いにあったアラジンホテルのネオンです。

何度も名前を変えてきた過去を持つこのホテルは、今はプラネットハリウッドホテルですね。

光の移動で炎(フレーム)がめらめらと燃えているように見える優れもの。

ネオン自体は1950年代に作られたようですが、「駐車場あり・冷房完備」っていうサインに時代を感じます。

ところで、このカウボーイの顔に見覚えはありませんか?

フリーモントストリートエクスペリエンスのお土産やさんの上に"Vegas Vic"という全身大の

カウボーイのネオンがありますが、その前身らしくそっくりのいでたちです。

ラスベガスの移り変わりを見続けてきたそんなネオンサインたちに、もっともっと新しい居場所

を与えてあげることで、

観光で来た方だけでなくラスベガス市民にとっても、この街の歴史を垣間見れる良いチャンスと

なるわけで、今後の「ネオンミュージアム」の取り組みに大いに期待したいところです。

フリーモントストリート・エクスペリエンスに行かれた折には、ぜひAndyやアラジンのランプを探してみてくださいね。

ちなみに、ここにあるドラッグストア"Walgreens"は、街の中のお店と違い、

ちょっとレトロっぽいネオンを生かしたサインになっていて、周りの雰囲気にしっくり溶け込んでいます。

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