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【今月のお題】スペインのエイプリルフールが12月28日なわけ

田川 敬子

田川 敬子

スペイン特派員

更新日
2014年4月30日
公開日
2014年4月30日
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4月最後の今日になって、"今月のお題"がUPされていなかったことを思い出しました(汗)

今さらながら、お題は『エイプリルフール』。ええ、スペインにもあるんです。罪のない嘘をついて

笑って楽しむ日。但し、4月1日ではなくDía de los Santos Inocentesと呼ばれる 12月28日なのです。

なぜ、この日なのか。それは新約聖書のマタイによる福音書に由来します。

キリスト誕生の頃にユダヤの地を治めていたヘロデ王は、幼子イエスの礼拝のために旅をしていた

東方の三賢王からベツレヘムに新しい王が生れたことを知ります。その新しい王の誕生で自分の

地位が危うくなることを恐れ、殺してしまおうと決めたものの、どこにいるのかわかりませんでした。

そのため、「ベツレヘムにいる2歳以下の子供を全員殺すように」となんとも残酷なお触れを出したのです。

神のお告げでこのお触れを知ったヨセフとマリアはイエスを抱いてエジプトまで逃げたために難を

逃れましたが、多くの罪なき子供たちは殺されてしまったといいます。

上の写真はクリスマスに飾られる、キリスト生誕シーンをはじめとする聖書のシーンを再現した"ベレン"から。

左が幼児虐殺、右がエジプト逃避のシーン。

スペイン語でinocenteとは、「無罪の、無実の」「純真無垢な、悪意のない、無邪気な」「(無邪気な)

幼児、子供」との意味。キリスト教では、この時に命を落とした純真無垢な子供たちを最初の殉教者たちと

みなしています。12月28日はそれを記念する日なのです。こんな悲しい逸話が、どうして嘘をついていい日に

発展したのか。諸説あるものの、ちょっと頭をかしげてしまいます。

この日はテレビや新聞で嘘のニュースが報道されたり、家族や仲間内でだましあったり、そっと誰かの

背中に白い紙の人形を貼ったりして笑い合います。嘘やいたずらが成功した時は、「Inocente!

(イノセンテ!)」が合言葉。みんなが大笑いする声が、殉教した子供たちの供養になるそうですよ。

(4月お題"エイプリルフール")

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