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9月17日と18日の2日間、欧州各地では「ヨーロッパ文化遺産の日」が開かれました。これは毎年9月第3週の週末に行われる、より多くの人々が文化遺産に触れられることを目的としたイベントで、パリ市内でも普段は入れない各施設が無料開放されました。
中でもエリゼ宮(大統領府)やマティニョン館(首相官邸)、国民議会(下院)、元老院(上院)は、毎年多くの人が詰めかけ、長い入場待ちの列ができます。その他にも各官庁や、美術館、博物館、歴史ある学校なども、この日に合わせて公開されます。
今年は市内7区にある農務省へ行ってきました。農務省では建物内の見学の他に、庭ではアヒルや鶏などが展示され、犬を使ったアヒルの群れを移動させるパフォーマンスなども行われました。またワイン、ソーセージ、ハチミツ、牛乳、牡蠣といった、国内の農業高校などで作られた特産品の即売所も設けられました。
昨年からフランス国内ではテロ事件がしばしば起きています。そのため、官公庁を開放するこのイベントに対して、例年以上に多くの警備体制が敷かれました。しかしイベント初日の17日に、テロに関する通報がフランス当局に寄せられ、現場となった市内1区は一時騒然となりました。しかし通報自体が誤報ということで、こと無きを得ました。
ヨーロッパ文化遺産の日は、毎年パリ市民が楽しみにしているイベントの1つです。昨年に国内で起きたテロ以来、人々は普段の生活を守りつつも、些細なことに敏感になっている空気を感じます。これ以上、悲惨な事件が起きず平和が続いてくれることを願うばかりです。