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オーストラリアでは、フードとワインがブームなんです。 実は「世界のベストレストラン50」の授賞式がつい先日、オーストラリアの都市メルボルンで開催されたばかり。メルボルンはお隣ビクトリア州の州都なのですが、南オーストラリア州でも今まさに食とワインを愛する人々がとても目立ってきましたよ。
★イベント会場ではワイン樽が目立っています★
南オーストラリア州では、毎年テイスティング・オーストラリア(Tasting Australia)という食フェスティバルが秋に開催されます。20年前からスタートし、毎回人気のフェスタで当初2年ごとだったものが去年から毎年の恒例イベントに。今年は4月末から5月にかけての一週間行われました。私もメディアとして現地入り、イベントを楽しんできました。
★街のあちらこちらには、テイスティング・オーストラリアの文字が目立ちます★
去年はオーストラリアで著名なシェフがステージでお料理を披露するというプログラムがあってたくさんの観客がステージ前に集まりました。希望者はそのステージでシェフから直接手ほどきを受けるという場面も。今年は料理を観客と一緒に作るということはなかったものの、子供のお料理体験教室などがありました。
★ゲストと一緒にチーズを作る観客★
食に関してのプログラムが日替わりで行われたり、レストランではフェスタ特別メニューが提供されたりと州民が食に対しての意識を高める期間なのです!ただ特別メニューとあってお値段はちょっと高め。残念ながら私はいただく機会を逃してしまったのですが参加レストランの半分以上が予約満席だったとのことでした。
さて、日本が長い食の歴史を持つ国ならば、オーストラリアの食の歴史は?と聞かれることがあります。残念ながら日本とは大きく違い、オーストラリアは食文化という歴史があるわけではありません。「これから新しいものを作り上げるんだ!」というシェフたちの意気込みがこのフェスティバルの至るところから伝わってくるのです。移民の多いこのオーストラリアだからこそできる、様々な国からの料理をヒントにできるのがオーストラリアンテイストなのです。 またそのお料理には必ずと言っていいほどワインが提供される。ワインセラーが自慢のワインを紹介できるのもこのイベントの特徴なのです。遠いワインセラーに行かないと試飲のできないものが開催中にアデレード市内で試せるというワイン好きにもたまらないイベントなのです。
★イベント会場のあちらこちらにワインの瓶が飾られて★
今年は昨年の観客体験型のものよりもどちらかというともっと食べることに重点を置いたプログラムが多かったのです。それはまさに食を楽しむ観客が多いということからなのでは。
中でも注目だったのがガラスハウスレストラン。アデレード中心部に建てられたガラス張りのレストランです。ここではオーストラリアで活躍中のシェフたちが腕を振るいました。そしてガラス張りのレストランでワインと共に食事を楽しむ人の姿が。
★ガラス張りのレストランが夜には綺麗にライトアップされました★
こうしたイベントではオーストラリアの原住民アボリジニもコラボします。
何故なら彼らの食生活に食の原点があると考えているから。アボリジニはオーストラリア大陸の中では5万年以上も歴史を持つ狩猟採集民族。今では西洋の食文化の影響を受け彼らの健康面に影響が出始めているのだとか。そんな背景もあって彼らの食の原点であるブッシュフードがブームになりつつあるのです。そのブッシュフードの材料は野生の動物の肉の他に木の実やベリー類、植物の根など。これらには豊富な栄養素がいっぱいです。そして彼らの調理法はいたってシンプル、「焼く」というもの。
★今年のテーマは、「焼く」、オープニングはアボリジニが火を起こすところからスタートしました★
メディア向けに開催されたオープニングパーティーではブッシュフードがオードブルとして配られました。会場には炭火焼の煙が美味しそうに漂っていました。
★会場のあちらこちらの屋台で、煙が立っていました★
オーストラリアは色々な国からの移民も多く食も多国籍。今年のフェスティバルではこの多国籍の料理を学ばべるお料理教室も開催されました。アフリカ・日本・イタリア・タイ・アフガニスタンなどこんな風にバラエティにそして短時間で学べるというのはやはりあのフェスティバルならでは。私は参加できませんでしたが、次回機会があれば是非参加してみようと思います。
オーストラリアのお料理やワインにご興味のある方は旅行がてら是非このフェスタに合わせてご旅行ください。オーストラリアの食文化に触れられること間違いなしです(プログラムによっては有料ですがイベントの入場料は無料)。 次回のTasting Australiaは 2018年4月15~22日に開催される予定となっています。
➡テイスティング・オーストラリアの公式ページ