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伊賀国・忍者(其の四)の巻 ~合言葉~
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前回は忍者の記憶術だったのですが、今回は忍者の合言葉を取り上げてみました。
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忍者の合言葉は、命を掛けた言葉だったようです。
暗闇に潜み、一心に諜報活動を続けていた時、ふと人の気配が・・・・・。
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敵なのか?味方なのか?
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あるいは、まだ会ったこともない味方に重要な情報を伝えたり、命運が掛かった密書を渡さなければならない・・・しかし当時は写真確認も出来ない時代、もちろん、携帯電話などの通信機器もなく・・・そのまだ見ぬ味方は、果たして本物なのか?あるいは敵の扮装による偽物なのか?・・・。
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忍者は、合言葉でそれら上記を確かめたそうです。
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あらかじめ仲間内で決めておいた合言葉で、目の前にした相手が本物の味方なのか?どうか?を確かめたとの事。
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また昨日の味方は今日の敵にもなり得る戦国時代、敵にばれることないように合言葉は毎日のように変えられたようです。
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合言葉を間違って答えてしまうと・・・敵とみなされ、攻撃されてしまう、そんな命がけの場面で、日々変わる合言葉を次から次に覚えては、とっさに使っていた忍者。
相当な記憶力と瞬発力も必要だったようです。
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忍者の合言葉は、連想するもの(短歌から等)、自然に関するもの、反対語、シャレなど、敵側に見破られないよう、しょちゅう変えて使用していました。
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(以下、一例)
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山→→→→→森(自然・連想)
日→→→→→月(自然・反対語?!)
花→→→→→実(自然・連想)
海→→→→→塩(自然・連想)
谷→→→→→水(自然)
カエル→→→→→井戸(自然・関連?!)
火→→→→→煙(自然・関連)
松→→→→→緑(自然・連想)
山→→→→→波(自然・反対語?!)
森→→→→→里(自然・連想)
畳→→→→→縁(連想)
月→→→→→さらしな(歌ことば・信濃国の枕詞、月と共によく歌われる。)
花→→→→→吉野(短歌などから)
煙→→→→→浅間(短歌などから)
萩→→→→→宮城野(短歌などから)
雪→→→→→富士(短歌などから)
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忍者の記憶力の高さや利発さが上記の言葉からも忍ばれます。
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女忍者『くノ一』は、中国の古い文書からのようです。
これには色々の説があるのですが、有名なのは漢字の『女』の書き順のようです。
これは(シャレ)に属するのでしょうか?!
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(シャレ)と言えば・・・
忍者の隠語→→→→→『クリ』
忍術伝書〔万川集海〕に「伊賀・甲賀という言葉を使ってはならない。」と明言されているそうです。
何故なら、伊賀や甲賀出身者というだけで、忍者ではないか?と疑われるほど、伊賀忍者、甲賀忍者は当時から有名であったとの事。
そこで伊賀忍者が仲間に伊賀の者であることを知らせるために編み出したのが、『クリ』。
「私は『クリ』から来た。」と言い換えて知らせたそうです。
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何故?『クリ』なのでしょうか?
「くり」=「栗」=「いが」=「伊賀」
う~~・・・イガ栗?!
これは、まさしく(シャレ)ですね。
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ちなみに伊賀国から京の都(現在の京都市)、南都(現在の奈良市)へはちょうど36㎞(九里)だったとの他説もあるようです。
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合言葉以外には、隠語や暗号(←後述にて)や文字や絵を書いて二つに割ったものを合わせる「割符」、女性の髪飾りを細工したものもあったようです。
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(次号に続く。)