キーワードで検索
フランスのロック歌手ジョニー・アリディさんが、12月6日、パリ近郊において肺がんで亡くなりました。アリディさんはロックンロールを皮切りに、戦後のフランスを象徴した歌手で、絶大な人気を誇っていました。
アリディさんが亡くなったことを受け、大統領府は追悼を行うと発表。この対応を見ても、アリディさんのフランスにおける存在の大きさが分かります。
9日のセレモニー当日、葬列は凱旋門からシャンゼリゼ通りを下り、多くのファンが詰め掛けるなか、コンコルド広場を経由してマドレーヌ寺院へ向かいました。葬列の後ろには700台のオートバイ、ハーレーダビットソンの一団が続きました。
シャンゼリゼ通りからマドレーヌ寺院にかけての沿道各所には、臨時のモニターが設置され、マドレーヌ寺院内で行われているセレモニーの様子を中継しました。セレモニーでは、マクロン大統領が「(アリディさんは)フランスの一部だった」と彼の功績を称えた他、セレモニー構成もアリディさんの曲が演奏されるなど、国民に愛された歌手らしい内容で進みました。オランド前大統領、サルコジ元大統領など、歴代大統領や要人も駆けつけました。
アリディさんへのオマージュは、9日のセレモニーだけではありません。地下鉄のデュロック(Duroc)駅は、その駅名の響きから、音楽イベント「ロック・アン・セーヌ」が開かれる期間には、毎年「Durock」という表示に架けかえられるのですが、今回のアリディさんの死に対しても、追悼を込めて「Durock Johnny」と一時的に変わりました。エッフェル塔には「Merci Johnny(ありがとう、ジョニー)」というメッセージが掲げられました。
アリディさんの享年は74歳。パリジャン紙によれば、60年間の音楽活動で1000曲以上、50タイトルのスタジオ・アルバムを発表したとのこと。AFPによれば、今までのアルバム販売総数は1億1000万枚以上といいます。名実ともにフランスの国民的歌手でした。