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今回は、ピエモンテ州の厳しい冬に欠かせない郷土料理をご紹介。
その名は、Bollito Misto (ボッリート ミスト)Bollito(ボッリート)は、"茹でた" という意味があり、Misto(ミスト) は "ミックス"。つまりは、茹でた肉と野菜の料理なのだ。とはいえ、正式には、茹でるという調理法だけではなく、オーブンへ入れるもの、ソテーするものなどもあり、一筋縄ではいかないのだが。北イタリアで、食される一品だが、ピエモンテ州のそれは、Gran Bollito Misto ( グラン ボッリート ミスト)や、Bollito Misto Piemontese(ボッリート ミスト ピエモンテーゼ)と呼ばれ、ひときわ別格とされている。
レストランによっては、代々続くワゴンサービスがお馴染みのところもあり、目の前で肉の部位を説明しながら切り分け、好きなものをお皿に盛ってくれる。
何時間も茹でるわけだから、そのスープが美味しいのは言うまでもない。
そう!そのスープこそが寒い冬に体の芯まで温めてくれる重要な役割をもつのだ。
ボッリートミストを注文すると、店によっては、まずその神髄であるスープが運ばれてくる。詰め物をしたパスタ入りでやってくる場合も。その栄養満点のスープを目当てに来店するお客さんも少なくないのだとか。
ボッリートミストに欠かせないソース
肉や野菜類がサーブされると同時に、ソースの説明がある。
ピエモンテ州のボッリートミストに合わせるソースは、正式には7種類のヴァリエーション。お店によって異なるが少なくとも3種類は用意されている。お好きな肉や野菜に好みのソースをつけて頂く。合わせるソースにより変化が楽しめる一品なのだ。
この郷土料理も実は、バーニャカウダ同様、はじまりは農民料理であった。
あまった肉や、安価で手に入る肉の部位を茹であわせる。まずは、スープで身体を温め、栄養補給。長時間茹でるため、旨味が抜けた肉に物足りなさを感じ、いつも台所に転がっている素材を組み合わせソースが完成した。大量に仕込み、ソースを変えて味の変化を楽しめば、何日だって頂ける。まさに先人の知恵!これこそが語り継がれる郷土料理の始まりであり、現在もこの地方で親しまれる冬の定番料理となった。
今となっては、高級レストランまでもがこの料理を提供する。先駆者の才覚に脱帽。
そんな昔に思いを馳せながら、我が家でも今日もせっせとボッリートミストに火をかける。
冬のピエモンテ州へお越しの際は是非お試しあれ!
日本列島でも、これまでにない寒さを記録しているそうですが、皆さまお変わりございませんか?
健康第一!! 今年も頑張りましょう!