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10月20日から3日間、パリ市内西部にあるアクリマタシオン庭園にて、日本のお祭りが行われました。これは日仏友好160年の「ジャポニスム2018」の企画「『地方の魅力』―祭りと文化」の一部で、日本の各地伝来の祭りと踊りが披露されました。
どんな祭りが日本から来仏したかというと、「五所川原立佞武多(青森県)」「行徳神輿(千葉県)」「鬼剣舞・さんさ踊り(岩手県)」「よさこい(高知県)」「春日若宮おん祭(奈良県)」「阿波踊り(徳島県)」「信玄公祭り(山梨県)」の7つ。公募と選定により決まりました。
それぞれの祭りは、日本での様子が再現されただけでなく、事前公募で選ばれたフランス人も祭り装束に着替えて参加。私が訪れたのは日曜でしたが、この日は信玄公祭りでは、武田信玄役をフランス人が勤めていました。信玄役だけでなく、他の武将などもフランス人が扮装しました。
中には全く違和感なく鎧兜を着こなしているフランス人も! よく見ると、以前仕事で取材させてもらったことがある、フランス剣道協会会長のエリック・マラシさんでした(写真下)。日本人より日本の武道に精通している方。納得です。
10月20日からは、パリを含む地域は諸聖人の日のバカンスが始まった最初の週末ということもあって、とにかくアクリマタシオン庭園は人が多かったです。公園内に入る時点で行列ができており、さらに、たこ焼き屋など屋台が並ぶ庭園内の区画も、たくさんの家族連れが往来していました。
ステージも大盛況です。写真は鬼剣舞の公演。これら公演だけでなく、それぞれの祭りが練り歩く際も、公園内のパレード沿道には多くの見物客が立ちました。
どちらかというと男性的なイメージが強い祭りですが、女性だけで構成された岩手県のさんさ踊りは、その中でもアクセントが効いていました。
感情を爆発させる祭りがある一方で、春日若宮おん祭は静謐に行列が進みます。ここでも日本の祭りの多様性を紹介できていました。
パリにもチームがあるよさこいは、フランス人を主体にした構成です。
日が落ちてからは立佞武多(たちねぷた)の運行が。山車に明かりがつくと、一気にその日のクライマックスへ向かいます。アクリマタシオン庭園に隣接する美術館、フォンダシオン・ルイ・ヴィトンの壁面に映る山車の火は、今回のイベントでしか見られない風景です。
アクリマタシオン庭園でのお祭りイベントは、好天に恵まれて、天候的にもイベント的にも大成功でした。また機会があれば、こういう催しがフランスで開かれればいいですね。