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もしかしたら気づいたり、遭遇した人もいるかもしれません。パリ市内5区との境、13区のゴブラン地区の商店街に、至るところに巨大なクマのぬいぐるみがありました。
これは地元書店の店主の発案による企画で、巨大なクマのぬいぐるみを貸し出すというもの。昨年11月から同商店街で始まったものが企画のユニークさから少しずつ話題になっていき、それがマスコミなどにも取り上げられるなどして、ゴブラン地区以外にも拡大。今や多くの人に知られるようになりました。
同企画は1月をもって一旦終了し、次は来春を予定しているのですが、そのクマさんたちの、お別れおやつパーティーが1月26日午後、市内13区の区役所で開かれました。
パーティー当日は小雨が降る天気にも関わらず、区役所前には入場のための親子連れの長い列ができました。イベントは全市民に開かれており無料。その代わりジュースとおやつは各自持参してくださいね、という決まりです。
開場直前にはクマの新郎新婦が車で区役所に乗りつけて、場を盛り上げました。じつはこのクマさん夫婦、1月12日に区役所で結婚式を挙げたクマのカップルです。
開場となり区役所内に入ると、まず階段から楽隊と共にクマがお出迎え。子供たちは皆、クマを抱きしめたり写真を撮ったり、大喜びです。
会場受付ももちろんクマ。そしておやつパーティーの会場となる区役所内の大ホールや各所で、クマが仕事をしたり、出迎えてくれます。
建物内では動物メイクなど子供向けのアトリエの他に、ポップコーン、綿菓子などの屋台が設けられました。大きなテーブルが用意され、そこで各自持ってきたおやつをクマと一緒に食べます。
舞台では(人間の)区長の簡単な挨拶の後に、楽隊がコンサートをスタート。会場の雰囲気を盛り上げました。ステージ上には結婚したばかりのクマの新郎新婦や、クマの区長さんも列席しました。来場した子供たち(そして親も)はとても楽しんでいる様子でした。
1時間ほど滞在して私は帰ったのですが、区役所を出ると列はさらに長く伸びていました!クマの人気はすごいです。
今回のイベントを通じても感じたのですが、他とは異なる新しいアイデアを行動に移せる地元コミュニティと、区役所という公の場所が前例がなくても興味を持って受け入れてくれる柔軟さを、今回に限らずパリではよく目にします。こういう環境が、新しいものを作り世界に広げていけるパリの強みになっていますね!