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一昨年ノーベル文学賞に輝いたカズオ・イシグロ氏の初期出世作、「日の名残り」。この小説を原作として、在りし日のイギリスで職務に忠実な執事という主人公を名優アンソニー・ホプキンスが演じた映画をご覧になった方も、きっと多いことでしょう。
本日ご紹介するのは、その映画ロケ地になったマナーハウス。もっと正確に言うと、映画の中で主人公が仕えていた館の外観に使われた「ダイラム・パーク・ハウス」です。
その始まりは17世紀の政治家ウィリアム・ブラスウェイトが、イングランド南西グロスター州に建てたマナーハウス。現在では景観保護団体ナショナル・トラストが所有しており、一般に公開されています。
由緒あるマナーハウスならではの見事なインテリアはもちろんですが、白眉はオランダ黄金期の絵画やデルフト焼き陶器のコレクション。
デルフト焼きだけでなく中国陶器もあり、それぞれのスタイルの共通点と相違点を見比べたり・・・アンティーク陶器ファンには垂涎の品揃えですよね!
バラエティ豊かな花瓶だけでなく、中にはこんな陶板画なども。
また花瓶は花瓶でも、オランダ独特のデザインは特に目を引きます。その説明書きを読んだところ「当時のイギリスではチューリップの球根は庶民の家一軒ほどの値段だった」という高価なもの。
これらの花瓶にチューリップを1輪ずつ挿すためには、相当の財力がないと出来ない事だったんですね!
こちらはキッチン。「日の名残り」の主人公は執事といういわば使用人のトップでしたが、ここでは料理人や小間使いが忙しく立ち働いていた事でしょうが・・・。
このキッチン、今は古本販売ショップを兼ねています。もちろん収益金はナショナル・トラストの資金として、この館のメンテナンスや運営費用に充てられます。
広大な敷地には、大柄なファロー鹿の群れも棲んでいます。マナーハウス見学の後は、ぜひウォーキングも楽しんでみて下さいね!
ダイラム・パーク&ハウス(Dyrham Park and House)
住所:Near Bath, Dyrham, Gloucestershire SN14 8HY
Tel:0117 937 2501
URL:https://www.nationaltrust.org.uk/dyrham-park
交通アクセス:https://www.nationaltrust.org.uk/dyrham-park#How to get here
入場料金:大人£13.50~£15.00