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随分前からパリではビールのマイクロブルワリー(小規模醸造所)が相次いでオープンするなど、パリ市内での地ビール醸造の他に、それら小規模生産者のクラフトビールを豊富にそろえる店も増えてきました。フランスといえばワインのイメージがありますが、若者にとってビールはワインと比べてとても身近な飲み物です。クラフトビールはパリにおいてすでに「ブーム」というより「定番」になっています。
ビールについてのイベントや展示会も年間を通して行われており、今回は先週4月7から2日間にわたり開かれた「Planète Bière(プラネット・ビエール)」に行ってみました。
会場はパリ市内19区にあるパリ・イベント・センター。今年で5回目の開催です。4000㎡の会場内に100カ所の醸造所、120の出展者、600銘柄のビールが会しました。
これだけあると、とにかく何から飲んでよいのか迷うのですが「ビールのお祭り」ということで、まずオクトーバーフェストが開かれる独ミュンヘンにある世界最古のビール醸造所、ヴァイエンシュテファンのブースへ。普段販売していない特別な小麦ビールの銘柄を持ってきているということで、まずそれを!どの銘柄を口にするにせよ、やはりビールの一口目はおいしいです。
試飲をしたグラスは会場内にある洗浄機で常に洗えます。グラスをニュートラルにして他のブースへ。次はせっかくなのでフランスの生産者を選びました。
顔を出したの他はブルターニュの醸造所サン・エルワン。ここではIPAを飲んでみました。ブースにいた醸造所のお兄さんがいろいろ説明してくれたのですが、お兄さんもことあるごとにサーバーから自分のグラスにビールを注いではグビグビ。顔色などに変化はありませんが、少し酔っぱらって気持ちよくなっているのが説明からも見て取れます(笑)。
ビールといえばイギリスも盛んですね。そのため次はロンドンの生産者ミーンタイムへ。ペールエールをいただきました。試飲は1銘柄につき、ジョッキ4〜5分の1くらいの量を注いでくれるのですが、だいたい1ブースにいくつか銘柄をそろえていますので、すべての味を確認して(飲み干して)いくと、すぐにジョッキ1杯分の量を結果的に飲むことになってしまいます。
次はアメリカ初の修道院ビールを造るセントジョセフ修道院のスペンサーを味見。ここでも色々味見をしようとしたら一部の銘柄は、チーズとのペアリングのクラスでのみ提供しているので、そちらに参加してくださいとのこと。そこでペアリング教室に顔を出してみました。
私はそれほどお酒に強い体質ではないため、お酒の味は好きでもアルコールへの耐性が強い人のようには飲めません。そのような中参加したチーズのペアリングクラスは、5種類のチーズに合わせて5種類のビールが出されました。
ワインの試飲会だと味だけ確かめてあとは吐き出す用の器があります。しかし今回のイベントについては無し。1つのチーズの説明時間が5〜10分くらいで、それに合わせて毎回注がれ、グラスを空けないと次のビールを試飲できません。このペースで飲むと酔っ払うなと思いつつも、結局周囲に合わせてペアリングを堪能。案の定、酔ってきました!
その後はイギリス南東にあるイギリス最古の醸造所というシェパード・ニーム醸造所のダブルスタウトや、日本を代表するビール会社キリンとアサヒのブースにも立ち寄り、ヨーロッパにおける日本銘柄のビール事情をうかがいつつ、とにかく各国のビールを堪能して帰路へ。
この手のイベントは、もちろん現地に住む人が来場者の中心ですが、もちろん旅行者でも楽しめます。特にパリは年間を通してさまざまな分野でのイベント・展示会が多いため、こういうイベントを1つプランに組み込むと、また一味違ったパリ滞在になるかもしれませんね。
【データ】
住所:20 avenue de la Porte de la Villette 75019 Paris
期間:4月7日・8日(8日はプロ向け)
時間:12〜19時(8日は11〜18時)
最寄り駅:地下鉄7号線Porte de la Villette
料金:25ユーロ