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7月4日から7日まで、パリの北郊外にある展示会会場でジャパンエキスポが開かれました。ジャパンエキスポとはアニメ、漫画、ゲームを中心とした日本文化をテーマにした見本市。今年で20年を迎えました。また、ここ10年はアニメなどポップカルチャーに加えて、日本の地方自治体が展開する観光をアピールするブースや、アニメやゲーム以外の日本関連企業のブースも増え、「オタク文化」以外の部分での出展も広がっています。
今年も現地の様子をお伝えします。
ジャパンエキスポの会場は「アニメおよび漫画」「ゲーム」「物販」の3つに大きく分かれます。そこに地方自治体などのブースや集まる場所や、歌手などゲストがイベントを行うためのいくつかのステージ、柔道や剣道など武道関連のデモンストレーションを行うスペースなどがあります。毎年、会場内の配置に少しずつ変更があり、今年はここ数年と比べて、ブースの配置が全体的に広がりました。
まず目を引いたのが、青森県五所川原市の立佞武多。昨年7月から今年2月まで、フランスでは「ジャポニスム 2018:響きあう魂」という日仏交流160年のイベントがパリを中心にフランスで開かれていました。その際に披露された立佞武多が、今年のジャパンエキスポでも展示されました。
その周囲を囲むのが、たこ焼きやたい焼きなど、日本のお祭りグルメの品々を売るブースと、和風テイストを取り入れた服や小物を売るブースです。そしてすぐ近くに地方自治体のブースがありました。
地方自治体のブースは、パンフレットやグッズを配るといったことから始まり、伝統工芸の実演をしたり、ゆるキャラの着ぐるみを日本から持ってきたりと、自治体によってさまざまです。興味深かったのが九州のブース。宮崎県の担当者のお話では、宮崎県は「武道ツーリズム」に力を入れていると言います。
元々、宮崎県の剣道界とフランス剣道連盟は、2018年に韓国で開かれた世界剣道選手権大会でフランス代表が宮崎県を強化合宿の場所に選ぶなど、交流は深いです。それら世界各国に広がる武道ファンを受け入れ、日本での稽古体験などができる体制を整えることを進めているそうです。近年は日本全国どこの自治体も口をそろえて「インバウンド」と言うようになりましたが、ただ漠然と海外からの訪問客を集めるのではなく「武道」をテーマとして差別化を図っているのは、とても面白いと感じました。
(ジャパンエキスポで観光アピールをする宮崎県の皆さん)
毎年大きな注目を集めるのが日本から来るゲストです。今年は松本零士さん、永井豪さん、富野由悠季さんといった大御所の漫画家をはじめ、緒方恵美さん、平野綾さんなど声優、YOSHIKIさん、大塚愛さん、高橋洋子さん、miwaさんといった歌手・アーティストがステージに。映画『東京喰種 トーキョーグール【S】』のプレミア上映では、主演の窪田正孝さん、松田翔太さん、山本舞香さんらが舞台挨拶に登壇しました。日本のクリエイターたちとフランスで交流できる、またとない機会で、多くのファンが駆けつけていました。
(会場内のステージで曲を披露するYOSHIKIさん)
(集まるフランス人観客の前で歌うmiwaさん)
来年はどのようなイベントになるのでしょうか。今から楽しみです。