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北ウェールズのウェルシュプールにあるポウィス城は、13世紀まで遡れるという中世からある城。現在の姿は、18世紀から19世紀にかけて贅沢に改築された豪奢なものです。
またジブリの名作アニメ「天空の城ラピュタ」では製作にあたりウェールズを参考にしたという事から、ウェールズに数々ある城の中でもこのポウィス城などモデルのひとつではないか・・・と推察するファンもいるそうです。
城を見上げるように造られたイタリアン・ルネッサンス庭園からのアングルだと多少想像できない事もないのですが、実はこの写真だと近すぎ。できれば敷地外へ出て更に下へ行ってから見上げると、こんもりした緑のクッションに座っているように見えるそうです。それならばラピュタのイメージに近くなるかな?
では城の中に入ってみましょう!現在この城は、景観保護団体ナショナル・トラストが所有および運営しています。入場料は大人13.50ポンド、開館時間は季節や曜日によって違うため記事末リンクのナショナル・トラスト公式サイトをご参照くださいね。
なお原則的にお城の中は撮影禁止。今回は英国政府観光庁主催プレス・ツアーの一環だったため撮影許可を得ましたので、こうして皆さまにご覧いただける次第です。
内装もさることながら、調度品や美術品のコレクションが圧巻!その中心となるのは18世紀に東インド会社の重役となりマドラス知事にもなった、エドワード・クライヴとその子孫によるもの。彼はポウィス城主の娘ヘンリエッタと結婚し、この城に更なる栄華をもたらした立役者なのです。
幾つかの寝室が保存されているうち、最もゴージャスなのがこちら。実はこの寝室、城主となったエドワード・クライヴが当時の国王チャールズ2世を招待するために作ったのですが、結果的にはチャールズ2世がこの城を訪れる機会はありませんでした。しかし後々20世紀初頭になってからエドワード8世がまだ王子の頃に1泊したというから、王族を招聘するという当初の目的は果たしたとも言えます。
絵画のコレクションは特に素晴らしく、額装して壁に掛かっているものだけでなく美しい天井画も必見。とくに天井画は階段やホールの上にあるものが秀逸です。
上の画像で右に見えるのが、エドワード・クライヴを夫として迎えたレディ・ヘンリエッタ・ハーバート。
そしてこの肖像を描いたのは、当時のイギリスを代表する画家ジョシュア・レイノルズです。ロンドンのピカデリーにある王立芸術学院(Royal Academy of Arts)の初代会長となり、今もその前庭に銅像がありますから↓ご存知の方も多いのでは?
他にも見どころ満載のポウィス城、次回はカフェと庭園もご案内いたします。どうぞお楽しみに~~!