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中世のバレンシアは絹産業や陶器産業が盛んでした。絹産業においては当時から同業者組合がありました。バレンシア市内にある世界遺産のラ・ロンハも、もともとは絹の商取引所としてつくられた建物です。現在のバレンシアの民族衣装がスペインでも飛びぬけて豪華なのも、この絹産業の影響でしょう。
そんな理由からバレンシアの旧市街には絹博物館があります。正直言って、絹産業に興味のない方が行かれても面白みのない小さな博物館です。ただ、陶器が好きな方にはオススメできます。何百年も前に建てられた同業者組合の建物を改装して使っているので、床に使われたり階段の蹴込み部分を装飾する陶器タイルが素晴らしいのです。私も何人かに「絹博物館の陶器タイルは一見の価値あり」と言われ、それを目的に行った次第です。
特に見どころなのは、2階の広間の床!! 18世紀の陶器でできています。四大陸がモチーフになっており(当時は五大陸という概念はなかったそうです)、各大陸を表す動物としては、欧州は馬、アジアは象、アフリカはライオン、アメリカは爬虫類が描かれています。床を保存する目的なのでしょう、博物館のこの古い部分に入場する際には受付で配布される使い捨てのシューズカバーを着用が義務付けられています。博物館の入場料7ユーロは高いと思いましたが、この陶器タイルを目にすることができて満足です。
というわけで、陶器好きな方、特に古い陶器タイルに興味がある方にはオススメの絹博物館なのです。