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近年カトマンドゥ空港滑走路の利用渋滞により、カトマンドゥ~ルクラ間運航スケジュールが大幅に乱れることが多々あります。天候は安定しているのに滑走路が混んでおり飛べない、という理不尽な状況となるのです。
これを受け、今秋からのトレッキングシーズン中は、カトマンドゥ⇔ルクラ間直行便の代わりに、カトマンドゥから東に約130㎞、車移動約4時間の場所にあるラメチャップ郡マンタリ空港を利用する便がメインとなっています。
130㎞というと大したことのない距離に思えますが、ここは山国ネパール。急カーブの多い細い崖路となるため速度が出せず、移動に約4時間もかかります。ラメチャップ発ルクラ行便は通常午前中の早い時間の運航となりますので、カトマンドゥからは未明の2時や3時に出発しなければならず、かなり過酷です。
旅行者エリアでもないラメチャップ。一体どこにあるの?どんなとこ?と思われる方も多いかと思いますので、先日日中に移動してきた様子を参考までにご紹介いたします。
※空港名はマンタリ空港ですが、「ラメチャップ空港」と呼ばれることが多いため、ここではマンタリではなくラメチャップ空港として表記します。
●ラメチャップ空港までの道路状況
カトマンドゥ~ラメチャップ空港までは約130㎞。
カトマンドゥの約30㎞程東ドゥリケルから、ラメチャップ空港の約20㎞手前クルコットまでの約80㎞は、日本の援助のもと、大変な作業を乗り越え約20年かかり2015年に全線開通したBPハイウェイ(全長約160㎞)の一部を通ります。日本人には「シンズリ道路」の名で知られています。
道は川沿いを走る細い崖道で、とにかく急カーブが多いです。
ネパール国内の他の幹線道路と比べると舗装状況はきれいですが、ところどころ舗装が壊れていたり、部分的にでこぼこが多い場所もあるのはネパールあるある。カーブも多く揺れますので、車酔いされる方にはかなりキツい道のりです。トレッキングよりも車両移動のほうが疲れてしまうかもしれません。
日中の移動であれば、 きれいな景色を見ながら気もまぎれますが、夜間の移動ですと道に外灯もなく、こんな辺鄙な場所になぜ私は来てしまったんだろう、というような不安に駆られてしまうかも。
↓次の写真の、川の向こう側の山の斜面に細く延びている道が、ラメチャップに続く道です。
↓ BPハイウェイ(シンズリ道路)の分岐点、クルコットからラメチャップを目指す際に見える光景。
次の写真の向かって右側の道路がカトマンドゥに続く道。左側の道路がラメチャップに続く道。この中央、川の合流地点があります。右側からスンコシ川、左側からドゥドゥコシ川が流れて合流する場所に、はっきりと色の境界ができています。
●ラメチャップ空港
山道を抜けると、山間に比較的大きな集落が見えてきます。この写真の中央やや下、川が切れているあたりに空港があります。
町のはずれ、空港に入る小道はこんな感じで、え、本当にこの先に空港があるの?とモチベーションが下がってしまいそう。
空港ビルも、いくら国内線とはいえ非常に小さいです。
就航会社はタラエアとサミットエア。
チェックインカウンターも待合室も質素。
山の谷間にある空港で、飛行機は山と山の間をぬって飛んできます。
強風が吹くと山肌に羽が接触する危険を伴うため欠航になります。
ルクラから飛んできた飛行機がラメチャップ空港に着陸する様子を動画でどうぞ。
この時はオフシーズン中で乗客はなく貨物のみを運んでいましたが、トレッキングシーズン中はこれと同じ機体に人を乗せて往復します。
●ラメチャップの町
比較的栄えている町ですが、今まで外国人が訪れるようなエリアではなかったため、まともな宿泊設備がありません。現地の人しか利用しない宿は、ガラス張りで一見モダンな造りであっても部屋は汚く、特に水回りとトイレの衛生状態に絶句してしまうことが多いです。
カトマンドゥのように気分転換できる観光地やレストランもありません。
カトマンドゥ空港発着便と違い、ラメチャップ空港発着便の場合は、ルクラの天気さえよければ飛べる確率が非常に高いそうです。しかし、ルクラで悪天候が続く場合は必然的にラメチャップからも飛ぶことができないため、欠航となってしまった場合のことを考えると、今からとても頭が痛いです。
外国人でも泊まれるレベルの宿泊施設を探す場合、約40㎞(車で約1時間)程戻った「ムルコット」という場所にあります。シンズリ道路を建築中に、日本のゼネコンの方たちが長期宿泊されていた寄宿所を改装したリゾートホテルなどもあり、そこそこきれいです。ただし、諸外国の「リゾート」とは違いますので、期待しないように。
欠航することなく、無事に飛んでくれることをただただ願うばかりです。