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王立芸術学院(ロイヤルアカデミー・オヴ・アーツ)はロンドンのメイフェア地区にある、イギリス芸術界の中心的存在。多くのアーティストがここで学び、また後続の指導に情熱を注いでいます。また一般市民への芸術振興も大きな役割なので常設展示は無料公開。観光者でも気軽に入れます。
いっぽう有料の特別展も随時さまざまな企画を行っており、今回ご案内する「ピカソ&ペーパー」もそのひとつ。2020年1月25日にスタートした本展は同年4月13日まで開催しているので、春休みにロンドン旅行する方にもいいですね!
本展のタイトルが示す通り、ピカソと紙の関係に迫るというユニークな構成です。たとえば上の絵画を作成するにあたり……。
このようなスケッチを何枚も、作品によっては何十枚も繰り返したピカソ。またそれらスケッチだけでなく小さな紙切れに至るまで徹底的に保存していたため、絵画や彫刻をはじめとする作品制作の行程をうかがい知ることができるのです。
また「紙」という素材の多様性と無限な可能性にも惹かれていたピカソは、あらゆる材質の紙(身近な古新聞や壁紙から、ときには高価な日本の和紙を購入してまで!)を駆使したコラージュや立体作品も数多く残しています。
こちらに展示されているのは、丈夫な紙で制作した前衛的なバレエ衣装。傍らのモニターではその衣装を身に着けて踊るバレエ公演の様子が映し出され、20世紀を代表する奇才ピカソの精力的な創作欲につくづく驚くばかりです。
まるで子供がハサミ遊びで作ったようにシンプルな切り抜きも! 天才、奇才とパブロ・ピカソを形容する言葉はたくさんありますが、絵画をはじめ「創作すること」が好きで好きでしょうがなかった人……という一面を見たような気がします。
彼の並々ならぬパワーの源を垣間見るような企画展「ピカソ&ペーパー」、かなりおすすめです!
■「ピカソ&ペーパー」展
・開催期間: 2020年1月25日~4月13日
・場所: Royal Academy of Arts, Burlington House, Piccadilly, London W1J 0BD
・チケット料金: 月~木は20ポンド、金土日は22ポンド
※ただし2020年3月31日から4月13日の最終2週間は毎日22ポンド(16歳未満は無料)
・王立芸術学院・公式サイト(英語): https://www.royalacademy.org.uk/
【記事中の画像については、王立芸術学院ご担当者の了承を得て掲載しております】