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パリ郊外で造られる清酒「Wakaze」の試飲会に行ってきました

守隨 亨延

守隨 亨延

フランス特派員

更新日
2020年2月29日
公開日
2020年2月29日
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© wakaze sake

ヨーロッパでも少しずつ日本酒というものが、「SAKE」という言葉とともに光が当り始めています。ここフランスでもパリやその郊外、ブルゴーニュなど各地で清酒の造り手が現れてきました。

そのようななかで、少し前になってしまいましたが、パリ南郊外で日本酒醸造の蔵を立ち上げた「Wakeze」の試飲会がパリ市内で行われました。同蔵は日本人の稲川琢磨さんらが立ち上げた、日本人がフランスで醸造する清酒です。

▲代表の稲川琢磨さん(左)と杜氏の今井翔也さん(右) © wakaze sake

場所はパリ市内11区、中華街などが広がるベルヴィル地区のクラフトビールのお店。そこを会場に、その日はクラフトビールではなくWakazeの清酒が、飲食関係者やメディア関係者に対して振る舞われました。提供されたのは3種類。正統派の純米酒「Wakaze Pur」、南仏や地中海を感じさせる「Wakaze Botanique」、ワイン樽で熟成させた「Wakaze Fût de vin」です。

▲左からWakaze Pur、Wakaze Botanique、Wakaze Fût de vin © wakaze sake

3種類はどれも個性がまったく違い、その時の料理に合わせて選べます。フレンチにも合わせやすい味でした。全体的には、3種類どの銘柄も飲みやすく、日本酒に少しハードルを感じている人でも取っつきやすい印象です。また清酒の醸造だけでなく、将来的には商品に合わせた料理も提供できるような飲食店も出したいそうで、試飲会ではWakazeの料理担当の方が作った食事も、フィンガーフードのような形で出されました。

清酒というといい米と水が必須になりますが、Wakazeでは酒米に南仏で栽培されてているカマルグ米という品種を使います。カマルグ米は、元はリゾットなどに使われている米で、近年は清酒醸造にも使われています。有名どころだと「醸し人九平次」の銘柄で有名な愛知県の萬乗醸造が、カマルグ米を使った清酒を造っています。

© wakaze sake

水に関しては、Wakazeの稲川さんによるとパリの南はいい水脈があるそうで、杜氏の今井さんも気に入って、パリの南郊外に蔵を構えることになったそうです。

© wakaze sake

試飲会でWakazeの皆さんからお話をうかがうと、フランスのレストランからも問い合わせは多いようです。さまざまな選択肢が広がって、日本酒業界全体がより盛り上がっていくとうれしいですね。

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