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2020年3月17日からサンフランシスコで始まったのが「Stay at Home Health Order(自宅待機令)」。当初は3週間の予定でしたが、5月3日までの延長が正式に決定し、4月中旬となる今も自宅に留まって過ごす日々が続いています。
加えて、アメリカ全体でも、金曜日(4月10日)の時点で、感染者数は50万人に到達し、先週と変わらず厳しい状況が続いています。今週のサンフランシスコの様子をレポートします。
感染による死者数が大幅に増えた週
先週から今週にかけての1週間は、先週トランプ大統領が示唆したように、感染による死亡数が大幅に増えた1週間となりました。例えば先週4月9日にコラムを書いた時点でのアメリカの感染者数は40万6697人、死者数は1万3868人。あれから7日たった今日(4月16日)の統計は、感染者数65万3397人、死者数3万3405人まで増加しています。
これは、わずか7日間の間に、死者数が約2万人増加してしまったことを意味します。。特に、4月14日(火曜)は、全米で最も多くの死者数が記録された日としてニュースにもなりました。このような死亡数は、人工呼吸器を長期間に渡って使用する患者であるケースが多いとされています。
ただしいい傾向も出てきました。当初は、10万〜24万人ほどの死者数が出る、といわれていましたが、自宅待機令の効果もあってか、先週の時点でワシントン大学の調査で、この推定数を約6万人まで引き下げました。この推定が正しくても、あと3万人前後の死亡は避けられないことになります。
マスク着用がより強化された1週間
4月3日からアメリカでも飛沫感染を防ぐために、マスクの着用が推奨されるようになりました。全米に先駆けてまずロスアンゼルス市が、4月8日に外出の際のマスク着用の義務化を行いました。今週は、ニューヨーク州やマウイ島などでも同じ法令が出され、4月20日から実施される予定となっています。
当初からマスク不足だったアメリカでは、現在手作りでマスクを作る人も増えています。動画サイトでもさまざまなマスクの作り方が紹介されるようになってきました。
サンフランシスコでも、飛沫感染に対しての対策が強化
サンフランシスコはまだマスク着用の義務化は行われていませんが、飛沫感染に対してより意識が高まった印象です。例えば、トレジョに入店する際の列も画像の矢印のように、それぞれの間隔が6フィートより長めに設定されるようになりました。
またレジでお会計をする際は、定着しきっていたエコバッグの使用が禁止となり、レジ担当との間隔を空けるように買い物カゴを渡してレジから6フィートほど離れた場所で袋詰めされるまで待つ方式が導入されています。
そして先週お目見えしたのが、レジと客の間を阻む透明の飛沫対策ボード。これによってお互いの飛沫が飛ばないよう工夫が取り入れられています。このようにスーパーでの感染対策も、日々強化されています。
アメリカで品不足が目立っているもの
現在のアメリカで品不足となっているのを紹介します。まずマスクと消毒液関連商品、トイレットペーパーはパンデミックの直後から見当たりません。トイレットペーパーはここ3月末から流通していますが、いまだに消毒液アルコールやマスクなどは購入できません。
加えて、自宅待機による影響で現在品薄となっているのがバリカンや髪染め液など。美容院に行けないため、自宅で散髪を行うためにこのような品薄状態となっています。
4月9日の時点では、アメリカのメジャーブランドとなる解熱剤タイレノールが品薄になっていると報じられました。これはWHOが、感染の疑いがある患者はイブプロフェンではなくタイレノールを使うように、と通達したことが要因です。
今週新たに懸念されている食材が豚肉などの精肉関連。これはノースダコタ州にある精肉工場で200人もの集団感染が起き、製造がストップしてしまったことにあります。
最後に
このコラムを書いている4月16日現在、LA times の統計 によると、サンフランシスコの感染者数は1019人、死者17人。先週の数字である感染者数724人・死者10人から、爆発的な増加は見られず、横ばいの状態が続いています。この傾向は全米でも注目されており、全米に先駆けていちはやくロックダウンを行ったこと、IT関連企業が多く、自宅勤務への切り替えが容易だったこと、運動や食事に気を遣うヘルスコンシャス層が多いことなどが要因ではないのか、と推測されています。
まだまだ厳しい状況が続きますが、カリフォルニア州知事はすでに、5月の頭を目処に自宅待機令を解除した際の対策案を発表しています。来週も新たな変化をお伝えします。