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まだ8月前というのに、風もひんやりしていて、とても涼しい夏となっているストックホルムです。
そんな夏は、多くのスウェーデン国民が長期休暇に入る季節です。2020年の今年は新型コロナの影響もあって、通常とは異なる過ごし方をしている方が大半のようです。このような状況から話題となっている、ある言葉があります。
それが「hemester」(ヘメステル)です。これはスウェーデン語の「hemma」(意味:家)と「semester」(意味:有給休暇)を合わせた造語で、「自宅で休暇を過ごす」という意味です。アメリカでのリーマンショックによって登場した「staycation」のスウェーデン語訳として、2009年にスウェーデンにおいて新語登録されました。それが、今回似たような状況から使用頻度が上がっています。hemesterをどう過ごすか、朝のニュース番組などで特集が組まれたりしました。
hemesterの過ごし方としては、大掃除をしたり、料理やお菓子作りに凝ったり、あるいは休日の延長線でずっとテレビやインターネットオンデマンドを見続けたりと、皆さんそれぞれの過ごした方をしています。
ただ、短い夏をめいいっぱい楽しむために、外で過ごすのがやはり主流となっています。 またそのようにおすすめられています。
水辺や公園でのピクニック、森や山でのハイキング、湖での水泳や日光浴、カヌー、ボート、ヨットや水上バイク、釣りなどのマリンスポーツなど、自然のなかでのアクティビティが人気です。また、庭の手入れをしたり、サマーハウスでいつもより長めに過ごす方もいます。 ビーチバレーができるところもいたるところにあるため、僕はもっぱらこれに励んでいます。
来夏スウェーデンに訪れることを計画しているのであれば、皆さんにはぜひ自然のなかで時間を過ごしてほしいです。町なかのいたるところに自然にあふれた公園があったり、少し電車やバスに乗って移動すると、森に行くことができたりします。ストックホルムでは今の時期は、ブルーベリーやラズベリーのベリー類、そしてポルチーニやカンタレラ(アンズダケ)をはじめとしたキノコを採ることができます。ストックホルムで見つかるかは定かではありませんが、北スウェーデンではマツタケを見つけることも可能です。最近は雨が降ることが多かったので、今年はキノコがたくさん採れるといわれています。
町の喧騒から離れ、森のなかにいると、鳥のさえずりや木々のささやきに自然と耳が傾けられ、 自然にどっぷり浸かることができます。そしてリラックスできます。スマホを一旦オフにすれば、さらに自然を味わうことができます。リスやウサギにときどき出くわすこともあり、うれしくなります。
日本でもできないことはないと思いますので、ぜひ涼しさを求めて、森や山のなかに足を踏み入れてみてはいかがでしょうか?
そしてもうひとつ、「svemester」(スヴェメステル)という言葉もあります。これは「Sverige」(意味:スウェーデン)と「semester」の造語で、スウェーデン国内で休暇を過ごすという、こちらは「americation」のスウェーデン語訳で、hemesterと同様、2009年に新規登録されました。スウェーデンの国際空港であるアーランダ空港をはじめ、観光業界のキャンペーンで使用されているのをよく目にします。海外用に「swemester」(Sweden + semester)という言葉もあります。
コロナ前までの水準には戻っていないにしても、フライトや列車は毎日運航されているので、国内のいたるところに旅行に出かけることができます。
Instagramでhemesterやsvemesterの言葉を検索すると、いろんな写真が出てきます。他人の日常を垣間見ながら、スウェーデンの夏気分に少々浸ってみてはいかがでしょうか。