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投票日だった2020年11月3日を2日過ぎてもまだ投票結果が出ないという不安定な状態が続くアメリカ。そんななか、アメリカでは11月4日の時点で、史上最も高い新規感染数を記録する事態となりました。新規感染者数の増加を受け、経済再開プランが一旦ストップとなった今週のサンフランシスコの様子をレポートします。
経済再開プランが一時ストップに
カリフォルニア州が実施する感染状況のレベル分けで、10月20日から1番軽い感染危険度を維持し、経済再開に向けて順調に進んでいたサンフランシスコ、10月30日の時点で人口10万人あたりの新規陽性者数が3人から4人に増加した事態を受けて、11月3日から予定されていた経済再開プランが一旦停止となりました。
これによって、レストランでの屋内飲食の最大収容人数を25%から50%まで引き上げる制限も一旦中止。ここに来て足止め状態となっています。
投票日当日のサンフランシスコの様子
アメリカでは、11月3日に大統領選挙が行われました。
民主党が多いサンフランシスコ、シティーホール前に設置されたメイン選挙会場では、かなりの数の有権者が記入済みの投票用紙持って訪れるものの、大きな混乱は見られませんでした。
ただし町の中心部となるユニオンスクエア付近では、選挙後の混乱や暴動に備えて多くの店舗やオフィスビルなどが防護柵としてベニヤ板を店頭に貼りつける対策を行っています。
選挙の結果が出ない現在も、マーケット通りに沿った店舗やセールスフォースなどがあるオフィス街は、店舗やビルを囲むように防護柵が張り巡らせれており、異様な光景が広がっています。この状態は6月上旬に横行した略奪騒動からの教訓からか、一層強化されているように感じられます。
カリフォルニアの感染状況について
11月4日の時点で、全米の新規感染数が10万8352人という過去最多の数を記録したアメリカ。感染拡大が止まりません。そんななか、カリフォルニア州の今週1週間の平均新規感染者数は4552人。先週の4234人・先々週の3164人に比べて今週も増加傾向にあります。
9月の時点は横ばい傾向にあったのにかかわらず、10月中旬あたりからじりじりと感染者が増加しはじめている状況です。現在増加が懸念されるのが、メキシコとの国境に近いアルパイン郡(過去1週間の人口10万人あたりの新規陽性者数1308.9人)・ネバダ州に面するモノ郡(過去1週間の人口10万人あたりの新規陽性者数606.7人)です。
今までは感染増加が抑えられていたカリフォルニア州ですが、徐々に感染拡大が懸念されるようになってきました。
最後に
このコラムを書いている11月5日現在、LA timesの統計 によると、サンフランシスコの感染者数は1万2666人・死者数は149人。先週の感染者数1万2277人・死者数145人に比べ、新規感染者数の増加は389人。1日の平均数は55人・陽性率は0.9%。ここにきてじわりと増加が目立つようになってきました。この流れを変えることができるのかが今後の課題となりそうです。