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連日、新型コロナウイルスの新規感染者数が過去最高人数を記録している札幌ですが、週末の日曜から一夜明けると季節も大きく変わりました。
北海道が「警戒ステージ3」に移行する直前、11月7日は歩いていると上着 が必要なくなるほどの小春日和(最高気温18.5℃、最低気温9.4℃)で、色づいた葉がすでに落ちている木もありましたが、まだ紅葉していない葉もあるなど、まだ紅葉を楽しめるような気候でした。
ところが、日曜まで紅葉を楽しめる気候でしたが、月曜の早朝から雪が降り始め、札幌の景色は半日も経たずに冬へと早変わり。
最初は霰(あられ)のような粒がはっきりとした雪がボツボツと大きな音を立てて降っています。
おまけに、大きな音と眩しい光の雷まで一緒です。
この雷が冬の始まりを告げています。
途中、氷あられは次第に水気を多く含む霙(みぞれ)に変わっていました。
11月の初雪から間もない雪には珍しく、シャーベット状の雪はすぐには解けずに道路の上にも積もり始めました。
歩道も車道も、大きな水たまりとシャーベット状の雪が交互に広がり、車が走り去るたびにベチャベチャと"みぞれ"の"しぶき"が上がります。
こんな日は、防寒の上着以上に「靴」にも気を使います。
シャーベット状の雪で堰き止められた雪解け水は、雨の日よりさらに、思いのほか深い水たまりを作っていることが多いからです。
特に建物の周りや横断歩道など、人通りが多いところは窪みも多く水たまりになっていることも少なくないので、水をはじく防水靴が必要です。
この日の朝は今シーズン初めて、吐く息が白くなりましたが(午前7時の気温4.6℃、午前11時1.4℃)、そこまで気温が下がった場合、靴に水が染み込んでしまうと一気に体全体が冷えるので、ときには安全策として防寒靴を履きます。
さらに気温が下がり、雪が積もってしまうと乾いた雪になるため、防寒靴ではなく防水を施した革素材の防寒靴や革靴を履くこともあります。
そしてさらに一夜明けると、ふかふかの雪が積もっていました。北海道内で最も雪が降った岩見沢では、42cmにもなったそうです。それに比べると少なめですが、札幌では4cm。
樹木の枝や幹にも雪が付き、辺りがあちこち白く塗り替えられて、いつも以上に明るい朝です。朝日に照らされた雪はとてもまぶしく、サングラスが欲しくなるほど。
晴れた朝は、放射冷却現象で気温もひときわ下がっています。
このときの気温は0.8℃。
朝の道路は前日とは異なり、車や人が通ってもすぐにシャーベット状になることはなく、白いまま道路に残っていました。
雪が多く降り、気温が下がった朝の雪の状態です。
そして日中は、再び雪が解け始め、公園や空き地には雪が残ったままですが、人通りがある道路の雪は、大分解けていました。まるで春先の雪解けのような光景です。
ところが、アスファルトの路面が乾かず濡れたままの部分は、夜になるとうっすら氷に。
一見、黒く見えて凍っているかどうかわからないこともあるのですが、ライトが当たると凍っているのがわかります。これがブラックアイスバーンです。
車にも人にも、とても滑りやすくなっているので、要注意な路面です。
一夜にして季節ががらりと変わるような今の時期は、ダウンや厚手のコートなど暖かい服装に注意が行きがちですが、足元の安全のため、靴の滑り止めや防寒、防水に留意してください。
この時期から、街のあちこちに「砂箱」が設置されます。
中には道路に撒くための滑り止め用の砂が入っています。
道路がツルツルになっている場合、砂箱の砂を撒いて滑り止めにするためです。
(春先、雪が解けると道路に撒かれた砂は清掃されます。)
また、例年は、市役所や区役所など、市の施設によってはペットボトル入りの砂(「コロバーズボトル」と呼んでいる地域もあります)を用意しています。誰でも自由に持ち帰ることができ、歩きながらその砂を撒いて路上での転倒を防ぎます。
北海道の冬は、日によって、また時間帯によって気温や路面状況が大きく変化するので、特に雪が降り始めたこの時期、ブラックアイスバーンになると車の運転も感覚を掴みきれていないことがあり、スリップ事故が増える時期でもあるので、屋外を歩く時は、周りの状況にも十分注意が必要です。
雪が降ったり積もったり、再び解けたりを何度か繰り返し、本格的な根雪になりますが、そんな冬の気温の変化や天候の変化(同じ札幌市内でもエリアによって天候が異なることも多々あります)にうまく対応できる準備をすることも、雪国北海道の冬を安全に楽しく旅をするコツのひとつです。
今は新型コロナウイルスの感染拡大が進んでいる札幌ですが、感染拡大が収束した際の北海道冬旅行には、季節が大きく変わるこの時期も体感してみてください。
※気温は日本気象協会・国土交通省気象庁発表データ参照