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スウェーデンでは早くて2020年1月に新型コロナワクチンの接種が始まると昨日11月26日に発表がありましたが、まだまだ予断を許さず、ますます感染が広がる新型コロナです。それは数々の歴史に影響を及ぼし続けています。10月末には、北スウェーデンのヨックモックで1605年から続くウィンターマーケットが416年目にして初めての中止を決定したと報道がありました。
11月24日から有効となった9人以上で集まることを禁止した新しい制限のため、それに先立ち、22日にはStefan Löfven(ステファン・ロフヴェーン)首相が国民に向けた声明を発表しました。その中で、多くの人が集まるようなイベントなどの中止・延期をするように話しました。こういった流れから、博物館・美術館、市民プール、映画館などは閉鎖することとし、ついにスウェーデンが誇る観光名所にして、国民の憩いの場であるスカンセンも残念ながら今回ばかりは大きな決断をすることとなりました。それが129年目にして開園以来初の閉園です。
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スカンセンは新型コロナが流行し始めてから数々のイベントを中止したり、従業員を減らしたりしながら営業を続けてきました。来園者が減りながらも、多くの国民が年間パスを買うなどといったサポートに助けられて難局を乗り越えてきましたが、今回ばかりは致し方ないのかもしれません。
閉園発表後、最初で最後の週末は多くの来園者でにぎわっていました。年間パスを購入した人が並ぶ行列もそこにはありました。
園内には小ヘラジカ1頭分のソーシャルディスタンスを取ろうというユーモアにあふれた看板がいたるところにあります。
動物たちも来園者に会えなくなるのが寂しくなるのか、それともサービス精神が旺盛だけなのかはわかりませんが、スウェーデン語でlodjur(ローユール)と呼ばれるオオヤマネコの1頭が木のかなり高いところまで登っていました。それはジャンプしたら間違いなく柵越えして脱走事件が発生しかねない高さでした。来園者をマジマジと見たり、木の上でくつろいだりしていました。
興味津々で写真を撮ろうと多くの来園者が集まりつつ、皆さん、本当に跳んできたらパニックになりかねないと内心気が気でなかったことと思います。怖くてその場を離れたいと叫ぶ子供もいました。
そんな多くの方に愛されるスカンセンは本日11月27日の営業をもって、一時休業に入ります。来春に再開する予定とのことですが、具体的な日にちはまだ決まっていません。
再び多くの人であふれるスカンセンが戻ってくる日を期待しつつ今冬を乗り越えていきます。