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2020年12月13日(日曜日)に、すでにサンホアキン地域の集中治療室が満床になったと報じられたカリフォルニア州、入院患者数が大幅に増える苦しい状況に突入しました。同時に12月11日を皮切りに最前線で働く医療関係者を中心にワクチンの分配も始まっています。今週のサンフランシスコの様子をレポートします。
サンフランシスコでもワクチン接種が開始
今週最も大きなニュースと言えば、サンフランシスコでもワクチンの接種がはじまったこととなります。12月12日以降、まずカリフォルニア州に32万7000個が分配され、そのうち1万2000個がサンフランシスコにが支給。これを受けて、12月15日から実際に医療関係者を中心に接種が始まっています。これはファイザー社が開発したmRNAワクチンと呼ばれるもので、効果を得るには2回の接種が必要とされています。
気になるワクチンの分配ですが、まずは最前線で働く医療関係者、それから老人ホームに滞在する高齢者の方々に優先的に行われます。このように今週は、いよいよ実質的な感染対策がはじまった記念すべき週と言えます。ちなみに、一般市民が実際に使用可能となるのは来年4月以降と言われています。
カリフォルニア州の感染状況について
ここ数週間の間、カリフォルニア州での感染増加が急速に増えていることをお伝えしていましたが、今週は新規感染者数のさらなる増加率が浮き彫りとなりました。12月16日にはなんと過去の記録を大幅に塗り替える6万1659人を記録。8月のピーク時に新規感染者数が1万2000人近くまで増え、大きな話題となりましたが、いまとなっては当時の6倍の数です。同じく12月16日は過去最高の死亡者数407人を更新しています。
この原因として考えられるのは、やはり感謝祭の連休に多くの人が移動したこと。今週1週間の平均感染者数は、先週の2万6461人に比べ3万7190人。この数を見ても増加スピードのすさまじさがわかります。これを受け、集中治療室と医療関係者の数不足が問題となって来たここ数日、最悪の場合は命の選択の決断が始まることとなります。
サンフランシスコエリアの集中医療室の空室状況
すでにほかの地域で医療崩壊がはじまったカリフォルニア州。サンフランシスコはベイエリアという地域に属し、この地域の集中治療室の空き状況が注意深くチェックされています。現在ベイエリアでは、今日の段階で約13%の空きがありますが、現在の感染状況を見る限り、これが埋まってしまうのも時間の問題とされています。
これを受け、サンフランシスコの感染対策チームの指揮を取るコルファックス博士は月曜日に会見を開き、現状の様子をデータを交え説明。今月末のクリスマス休暇は外出をせず自宅に留まることを強く推奨しています。
最後に
このコラムを書いている12月17日現在、LA timesの統計 によると、サンフランシスコの感染者数は1万9445人・死者数172人。先週の1万7571人・死者数165人に比べ、今週の新規感染者数の増加は1874人。1日の平均数は267人・陽性率は3%・人口10万人当たりの感染者数23.9人と感染がかなり急速に進んでいるのが見て取れます。
全米レベルで見ても、感染状況を比較的コントロールしていたサンフランシスコですが、状況は徐々に悪化の一途をたどっています。