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2020年12月18日から、いよいよサンフランシスコでも隣接するエリアを除くすべての地域から訪れる人に10日間の自主隔離が義務づけられました。夜間外出禁止令・自宅待機令に加えて自主隔離要請と、陽性率が上がるにつれてどんどん規制も厳しくなっていくサンフランシスコ、今週の様子をレポートします。
サンフランシスコでも自主隔離が義務化に
サンフランシスコの感染対策チームの指揮を取るコルファックス博士は12月17日に会見を開き、サンフランシスコ周辺のベリエリアを除くすべての地域からサンフランシスコに訪問する場合は、10日間の自主隔離を行う要請を発表しました。実施はなんと発表があった翌日からと、これまでにない異例のスピード。感染が広がるいまの現状を象徴しているようです。
この自主隔離要請は、冬のホリデー期間中となる12月18日から1月4日までと定められています。
モデルナ社製ワクチンも分配開始
先週お伝えしたファイザーのワクチンに続き、先週金曜日12月18日に、アメリカのFDA(食品医薬品局)によって2社目となるモデルナ社製ワクチンの緊急使用の許可が下りました。このモデルナ社もファイザーと同じくmRNA型で94%の効果が謳われています。
ワクチンの性質はほぼ同じですが、ファイザー社製ワクチンに比べてまず挙げられるのが、2回目のワクチンを打つ期間が21日ではなく28日と1週間の余裕があること。それと温度管理にも違いがあり、ファイザー製薬のワクチンの適正保存温度は-75Cとかなり低温保存が必要なことに比べ、モデルナ社製のワクチンは、長期保管でも自宅の冷凍庫でも対応できる程度の温度・30日以内の使用であれば家庭用冷蔵庫での保管が可能とされています。このため、都会を離れた過疎地域での分配に役立つと期待されています。
ワクチン分配は12月21日からはじまり、カリフォルニア州にはまず11万個のワクチンが分配、今週の終わりまでに追加で約60万個が州全体に届けられる予定です。
カリフォルニア州の感染状況について
今週カリフォルニア州では、州全体の感染者数がアメリカの州でも初となる200万人台に到達しました。ここ1週間の一日の平均感染者数は4万2268人。先週の3万7190人・先々週の2万6461人に比べても増加スピードがすさまじいことがわかります。
結果、州全体の99%を占める55の郡が非常に危険という紫レベルに降格してしまい、ほぼ州全域で自宅待機令が施行されています。自宅待機令が施行された地域は、屋外屋内問わずレストランでの飲食が規制、加えて屋内ジムや映画館・美術館などの利用も制限されています。
5つにグループ分けされた州の地域のうち、南カリフォルニアとサンホアキンの2地域の集中治療室の空き状況はすでに0%に到達。ベイエリアも残りわずか9.2%という状態です。サンフランシスコ自体の集中治療室は12月18日の時点ではまだ28%程度の空きがありましたが、この状況ももちろん刻一刻と悪化しています。
最後に
このコラムを書いている12月24日現在、LA timesの統計 によると、サンフランシスコの感染者数は2万1385人・死者数178人。先週の1万9445人・死者数172人に比べ、今週の新規感染者数の増加は1940人・1日の平均感染数は277人と過去最高を記録しました。
加えて、陽性率の比例ですが、先週の3%・人口10万人当たりの感染者数23.9人に比べ、今週は3.6%と27.1人。こちらも当然ながら上昇しています。今後ワクチン分配による効果がいつ現れるのか、引き続きレポートします。