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Sut Mae!(シュマイ!こんにちは!)
2021年5月6日、イギリス各地で地方議会選や首長選、下院議員の補欠選挙などが行われました。
そして今回、はじめて投票権を得ることができた私も投票日当日はイギリス人の義父母と一緒にウェールズ議会選の投票に行ってきました!
■ ウェールズの小さな村の投票所
イギリスでは学校や教会のほか、場合によってはパブやコインランドリーが投票所になることもあるそうですが、私が暮らす村(Cyfronydd)周辺では隣村(Castle Caereinion)のコミュニティ・センターが指定の投票所でした。
▲ コミュニティ・センター駐車場に掲示された「投票所(Polling Station / Gorsaf Bleidleisio)」の案内
▲ 投票所(7時~22時)入口には「マスクの着用」と「一方通行」の案内
通常、裏口として使われているコミュニティ・センターの出入口には「入口専用」の案内が貼られ、投票所内は一方通行とソーシャルディスタンスの確保が徹底されていました。
また、入口付近には消毒と使い捨てのマスクも用意され、受付は透明のアクリル板でしっかりガード。田舎の小さな投票所でも安心して、投票できる環境が整えられていることに少し驚いたほどです。
▲ 投票所の受付
受付ではアクリル板越しに郵送で受取った投票カードを提示して、投票用紙(3枚)を受け取り、順番にひとりずつ投票ブースへ。周囲から見えないよう囲われた記入台には記載方法や投票方法の案内も置かれていました。
▲ 投票ブースもスタッフが頻繁に消毒
▲ 投票用紙と投票方法についての案内
記入を終えたあとは受付近くに設置された投票箱に各自、投票用紙を折りたたんで入れ込みます。
今回、私は地元「モントゴメリーシャー(Montgomeryshire)」と「ウェールズ中西部:ウェールズ議会選挙区(Mid and West Wales: Senedd Cymru electoral region)」、「ポウィス州の警察および犯罪委員(Police and Crime Commissioner for Dyfed-Powys Police area)」3つの選挙に投票しました。
▲ イギリスの投票箱(Ballot Box)
■ ウェールズ議会は労働党が多数党を維持
通常、イギリスでも投票終了後に即日開票が行われますが、今回の選挙はコロナ禍のため、集計作業の遅れが予想され、最終結果は8日になるだろうと最初からいわれていました。
それでも翌日7日には一部の開票が出て、ウェールズ議会はマーク・ドレイクフォード首席大臣率いる労働党が全60議席のうち、半数の議席を確保したことが速報で伝えられました。
▲ 8日店頭に並ぶウェールズの地方紙
8日、正式発表された今回の選挙の結果は労働党(Labour)30議席、保守党(Conservative)16議席、ウェールズ独立党(Plaid Cymru)13議席、自由民主党(Liberal Democrats)1議席。
ウェールズ議会は引き続き、労働党が第1党を維持し、マーク・ドレイクフォード首席大臣の続投が決まりました。パンデミック対策において、ウェールズ政府はとりあえず国民の支持が得られたようです。
■ 注目のスコットランド議会選
さて、今回の地方選挙で最も注目されていたのがスコットランド議会選です。
スコットランド独立の賛否を問う住民投票実施に向け、独立派のスコットランド民族党(SNP)と緑の党がどれだけ議席を獲得できるかが焦点となっていました。
そして、結果は全129議席中、スコットランド民族党が64席を獲得して第1党を維持、単独過半数には届きませんでしたが、緑の党の8議席と合わせて見事過半数を占めました。
今後、スコットランドは2014年に続く2度目の住民投票実施を目指すことになりますが、住民投票を許可する最終的な権限はボリス・ジョンソン首相にあるため、イギリスの分断を避けたい国とスコットランドの対立が繰り広げられそうです。
地方選挙はこれでひとまず終了ですが、まだまだこの先の展開も気になります。