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この1年、フェイスマスクがまるで自分の身体の一部になってしまったような気がしませんか。こちらでは春の訪れとともに、ようやくマスクとお別れできる日が近づいてきました。
今回は2回に分けて、ラスベガスでの現在の感染対策やマスク事情、ワクチン接種体験をお伝えしていきます。
マスク着用義務の緩和に続きラスベガスの再開は来月ネバダ州全体でのCOVID-19テスト陽性率を見てみると、昨年12月には20%近くまで増えていたものが、2021年5月17日現在4%台まで下がりました。これまでの感染者は約32万人、そのうち亡くなった方は約5500人となっています(ネバダ州の人口は約300万人)。
感染者や陽性率の減少にともない、5月1日からは新型コロナ感染対策の権限が州から各郡に移っており、ラスベガスのあるクラーク郡では、レストランや小売店舗、イベント会場などの収容人数のリミットが定員の50%から80%と上がりました。
この先、住民の60%が少なくとも1回のワクチン接種を受け終われば、6月1日から収容人数の制限をなくして100%での完全再開となります。
加えて、5月13日にCDC(アメリカ疾病対策予防センター)の最新ガイドラインが発表されました。ワクチン接種の完了した人(2回接種が必要なファイザーやモデルナなどのワクチンは、2回目の接種から14日経過した人。ジョンソン&ジョンソンは1回の接種から14日経過した人)は、屋外・屋内でのアクティビティの際、マスク着用やソーシャルディスタンスは必要ない、というのものです。
これによりネバダ州もCDCのガイドラインに沿い、ワクチン接種の完了した人は、人ごみの中にいる場合を除き、マスク着用は不要となっています。とはいえ、ガイドラインには例外もあり、医療機関、空港や駅などの交通機関、公共交通機関ではマスクを着用する必要があります。
待ちわびていたこの日がやっと来たというわけですが、個人的にはまだ少し早いかなとも思っています。ワクチン接種完了によりマスクの着用有無が決められるとはいえ、接種完了したかどうかをいちいち確かめられるわけではないので、当分の間はホテルやレストラン、人数の多い室内のイベントなどではマスクを着けるようにします。
またいまのところ、レストランやスーパーマーケットなどでも、入店に際してマスク着用を義務づけているところがほとんどです。
ロックダウンから1年2ヵ月
ネバダ州がロックダウンになってから1年2ヵ月、長かったですね。ラスベガスのレストランビジネスを例にあげると、昨年3月17日のロックダウン開始とともに店内飲食が禁止され、ドライブスルーやデリバリー、ピックアップのみの対応になりました。
5月になり、店内飲食は定員の50%までという条件つきでいったん再開したものの、秋を迎えると感染者数はうなぎのぼりに増えていきます。
11月24日からは州全体で3週間の一時停止状態に入り、店内飲食のリミットは25%に。ワクチンの優先接種が始まった12月には、1週間の陽性率が20%と過去最高の数字に。
年が明けて1月、年末年始の移動や旅行が原因でしょうか、上旬に一時感染者数が増えましたが、その後確実に減り始めます。それを受けて、2月に入るとレストランは定員35%までとなり、3月には 50%、5月1日から80%と早いスピードで再開へ向けて進み始めました。そしてついに、6月1日から100%の再開です。
進むワクチン接種100%再開に向けて、ワクチン接種はどのように進んでいるのでしょうか。
5月18日現在、ネバダ州全体での接種状況は、最低1回受けた人が43%、接種完了した人が34.3%となっています。
昨年12月から、医療従事者を皮切りに、高齢者施設や小売店、飲食関連の従業員、学校の先生などのエッセンシャルワーカーと呼ばれる人たち(日常生活に不可欠な仕事に就いている人たち)への優先接種が順にスタート、次に65歳以上の高齢者、そして65歳未満で既往症のある人へと優先接種の枠が広げられました。今年4月5日からは16歳以上65歳未満の健康体の人たちの接種が始まり、現在は、12歳以上の子供たちへの接種も進んでいます(12~17歳はファイザーのみ)。
ワクチン接種は医療保険のあるなしにかかわらず無料で、学生や駐在員などの滞在ステータスも一切関係なく受けられます。
簡単にワクチン接種ができるように、病院のほかに大規模会場が設置されるのはもとより、ドラッグストア、スーパーマーケット内の薬局コーナーなどでも接種できます。というのも、もともと冬のインフルエンザの予防接種など、買い物がてらスーパーマーケットの薬局でサクッと受けるのが普通なので、コロナのワクチンも同様というわけです。
集団免疫を獲得するためには、いかに早くたくさんの人たちが接種を終わらせるかが大事なので、スーパーマーケットで接種した人には買い物の割引クーポンを提供したり、ドーナツチェーンではワクチンを受けた人へ無料ドーナツをプレゼントしたりと、あの手この手でワクチン接種が呼びかけられています。
あらゆる人がワクチンを受けられるように、サービスあれこれ
ワクチン接種を広めるにあたっては、高齢者、低所得者、マイノリティなど弱い立場の人たちであっても安心して受けられる体制を用意するのも大事なこと。電車や地下鉄がないラスベガスでは、会場までの移動手段を確保しづらい人たちも多くいます。移動手段がないことで接種の機会が奪われないよう、いくつかのサービスが用意されています。
車に乗ったまま簡単に受けられる、ドライブスルーの接種会場2ヵ所が期間限定でオープン中。会場はホテル街の近くにあるコンベンションセンターと、ラスベガス北部にあるカジノホテル(パンデミックにより現在閉鎖中)の駐車場で、予約しなくても利用できます。駐車場内の動線には州兵が動員され、入ってくる車にテキパキと指示を出しているので、大きな混乱もなく粛々と接種が行われています。
住まいが町から離れていたり、利用できる交通手段がないか、あっても不便だったりするコミュニティもあります。そのような地域にあるシニアセンターやコミュニティセンターでは、週末一日のみのポップアップクリニックが開かれます。会場まで歩いて行けるので、地域の人たちは気軽に出かけられるというわけです。
接種会場まで行くのに車がない、タクシー代を払うのが難しいという人たちを助けるために、4月19日から5月31日の間、市バスによる会場までの無料送迎バスが提供されています。これは連邦政府の景気刺激策による資金補助によって運営されていて、オンラインや電話で申し込むとパス乗車券2枚が提供される仕組みです。
自宅で寝たきりであったり、車椅子や松葉杖を使っているため移動が難しいケースもあります。そのような人たちのために用意されているのが、在宅ワクチン接種サービスです。
救急隊員が自宅を訪問してワクチン接種し、接種後は副反応をモニターするために15分から30分ほど滞在してくれます。1回の訪問で済むように、ワクチンはジョンソン&ジョンソンを使用します。
ここまで、最新マスク事情とワクチン接種状況をお話ししてきました。次回は私のワクチン接種体験へ続きます。
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