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新型コロナ衛生パスポートの使い方まとめ、飲食店や商業施設での確認が順次開始【2021年7月21日〜】

守隨 亨延

守隨 亨延

フランス特派員

更新日
2021年7月22日
公開日
2021年7月22日
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2021年7月21日に、仏テレビTF1において、フランスのカステックス首相が衛生パスポートについて言及しました。衛生パスポートの使い方と、今後の状況をまとめました。

衛生パスポートが必要な場所と開始日

衛生パスポートとは「ワクチン接種証明」「陰性証明」「抗体証明」のことです。その衛生パスポートのチェックが、2021年7月21日より、50人以上が集まる遊戯・文化施設(以下のリストを参照)において行われます。8月からは50人という数字はなくなり、飲食店、ショッピングセンター、病院、老人ホーム、医療機関、飛行機、電車、長距離バスなどに適用される予定です。観光宿泊施設については、食事や宴会場を除いて、パスポートの対象にはなりません。

【衛生パスポートが必要な場所】

公聴会場、会議場、上映会場、集会場、テント、コンサートホール、劇場、映画館、上演会(着席および立席)、閉鎖空間または屋根付き会場でのスポーツイベント、屋外施設、遊技場、カジノ、宗教施設、見本市、展示会、美術館と企画展会場、図書館(大学および専門的な図書館を除く)、高等教育機関で開催される文化集会、30以上のスタンドやアトラクションがある興行会場、人の流れを制御することになりそうな公共の場で開催される文化・スポーツ・遊戯・お祝いについてのあらゆる行事、宿泊施設が付いた船とクルーズ船、客数に関係なくディスコ・ダンスクラブ・バー

衛生パスポートの確認は各施設の義務ですが、衛生パスポートに記載された内容が本人のものであるかの確認は、各施設の義務には含まれません。衛生パスポートの本人確認は、警察当局によって第2段階のチェックとして行われるか、または警察当局によってランダムに行われます。

新型コロナワクチン未接種の子供についても、学校に行くことができ、学校での衛生パスポートの提示は求められません。衛生パスポートは12歳から必要ですが、12~17歳の青少年への適用については、9月末まで延期されます。

また今後、地域ごとの追加規制措置の可能性について、マスクの着用義務が県ごとに一般化、あるいは人が集中するいくつかのゾーンにおいて実施される可能性があリます。レストランなど人が集まるいくつかの施設について、23時以降の閉鎖措置が実施される可能性もあります。ディスコについては、未だその3分の2が営業を再開していませんが、特に発生率が高い地域については、引き続き強い監視の下に置かれる予定です。

衛生パスポートの証明方法は3つ

衛生パスポートの義務付け以降は、該当する施設への入場には、以下いずれかの状態の証明が必要です。これら証明書の携行と提示は、フランス政府による新型コロナ対策アプリ「TousAntiCovid」に読み込ませたもの、もしくは紙で行います。

1. ワクチン接種証明

2. 72時間以内の陰性証明

3. 治癒証明

1. ワクチン接種証明

ワクチン接種証明は、欧州医薬品庁が認めたファイザー、モデルナ、アストラゼネカ、ジョンソン・エンド・ジョンソンを接種済みの人に発行されます。接種後すぐに証明が有効となるわけではなく、ファイザーとモデルナは2回接種してから7日間を経過後、1回接種のジョンソン・エンド・ジョンソンは接種後4週間を経過後、過去に新型コロナ感染歴がある人は1回のワクチン接種および1回目の接種後より7日間が過ぎてからです。

ファイザー/モデルナ/アストラゼネカ: 2回接種で2回目の接種から7日後に有効

ジョンソン・エンド・ジョンソン: 1回接種で1回目の接種から4週間後に有効

過去に感染歴あり: 1回接種から7日後に有効

なお、EU加盟国およびアンドラ、アイスランド、リヒテンシュタイン、モナコ、ノルウェー、スイス、イングランド、ウェールズで発行された同様のパスポートのQRコードは、フランスでも使えます。

2. 72時間以内の陰性証明

医療専門家によって行われた、PCR検査または抗原検査を通して証明します。陰性証明は、検査後72時間以内のものが有効となります。

3. 治癒証明

過去6ヵ月未満から11日前までの期間に、PCR検査で陽性が出た人に対し適用されます。その期間に一度感染している場合、すでに抗体ができているとみなされるからです。

衛生パスポートを実際に試してみた

衛生パスポートが開始された初日、パリ市内のバーに協力してもらい、実際に衛生パスポートの手順を教えてもらいました。

フランス政府の新型コロナ対策アプリ「TousAntiCovid」を開いて、「Health Pass(衛生パスポート)」の「Open my wallet(ウォレットを開く)」タップ。ここに各種証明(ワクチン証明や陰性証明)が入っていますので、そのQRコードをお店の端末で読み取ってもらいます。

QRコードは、ワクチン完了時や陰性証明交付時にQRコード付きの証明書(PDFなどのデジタルフォーマットまたは紙)が発行されますので、それをTousAntiCovidで読み取り、事前にアプリ内に入れておきます。

客(つまり今回は私)のQRコードを読み取ると、お店側の端末に、そのQRコードの持ち主の名前と生年月日が即座に表示されます。

▲お店側の端末に表示された客の情報

アプリで確認を行う場合、QRコードを読み取るだけですので、作業は数秒で完了します。

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