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初めまして、サンフランシスコ2特派員のテッドです。今回は、サンフランシスコからの訪問先で人気の世界遺産ヨセミテ国立公園の中でも年に数回しか見られないムーンボウの紹介です。月の光で白く浮かび上がる虹は神秘的です。訪問日を選べばほぼ確実に見られます。
コロナがまだまだ猛威を振るっていますが、ワクチンの接種も順調に進んでいるので、観光が可能になったらぜひご自身の目で体験しに訪問してください。
ヨセミテ渓谷は100万年前に氷河が創ったU字谷で、そそりたつ1000mの絶壁と、谷底に広がる針葉樹の森、Merced川の清流の織り成す氷河の作った芸術品です。
ヨセミテ渓谷を訪問して、絶対外せないのがこのトンネルビュー展望台です。これから訪問するヨセミテ渓谷を一望することができます。正面に雄大なU字谷が広がり、右手にはブライダルベール滝、左には世界一の一枚岩エル・キャピタンがそびえ、遠くにはヨセミテのシンボル、ハーフドームを望むことができます。この展望台からの景色は一切人工物が見えないように設計されており、その後の国立公園の展望台のモデルとなっています。
■トンネルビュー展望台
氷河(グレーシャー)が削ったU字谷の上にある展望台で、そびえたつ花崗岩の山々、氷河が削った1000mの絶壁と下に広がる渓谷、絶壁を流れ落ちるいくつもの滝など、ヨセミテの美しさを一度に体験できます。
写真の中央に見えるのがヨセミテのシンボルともいえるハーフドーム(2695m)です。右に見えるのは、ネバダ滝とバーナル滝です。遠くに見える雪を被った4000m級の山々まで全てヨセミテ国立公園です。
グレーシャーポイントへの道路は、冬季は降雪で閉鎖されていますが、通常5月中旬には除雪が終わり訪問可能となります。除雪の情報は、国立公園局のウエブサイトで確認できます。
グレーシャーポイントは、サンフランシスコ発の日帰り団体ツアーでは残念ながら時間の関係で訪問できないです。個人ツアーでは訪問するところもあるようなので、探してみてください。
ヨセミテ渓谷に戻って、谷を流れるマーセド川に架かるスインギングブリッジからヨセミテ滝(739m)を見てみましょう。スインギングブリッジは、昔はつり橋で揺れた(スイングした)ことからそう名付けられています。いまはしっかりした橋で揺れることはありませんが、そこからのヨセミテ滝の景色は変わらずすばらしいです。
ヨセミテ滝は、落差739mで北米では一番落差のある滝です。ここからは川面に映る逆さヨセミテ滝を楽しむことができます。夏の間は、園内でゴムボートを借りてこの付近をゆっくりと川下りすることもできます。(2021年現在はCOVID-19の為営業していません)
川岸では、子供たちが水遊びをしていました。
今夜楽しむムーンボウは、このヨセミテ滝に架かります。
水量の多い時期の満月前後に、ヨセミテ滝の飛沫に月の光で虹が架かります。ヨセミテ滝の水量の多い4月から6月の時期限定です。8月になると水が枯れてしまいます。
ムーンボウは、ローワー・ヨセミテ滝が落差97mで滝壺近くまで行けるので虹を間近から大きく見ることができて有名です。今回はアッパー・ヨセミテ滝のムーンボウを狙ってみました。滝の上には北斗七星が輝いています。
アッパー・ヨセミテ滝は落差436mと大きいため、少し離れたクックス草原から観賞します。虹が見られる時刻の予測ウェブがあり、訪問した2021年5月26日の満月の日は24時15分の前後30分でした。到着したときにはすでに数名のカメラマンが三脚を立てて撮影を行っていましたが、撮影場所も広く混雑もなくてよかったです。
ムーンボウは、肉眼では薄っすらとした白い円弧に見えますが、写真に撮ると七色の虹を確認することができます。今回の撮影は、三脚を用いISO 800, F3.2, 10秒で20秒おきにインターバルタイマー撮影して合成しました。ソフトフォーカスのフィルターを付けると明るい星が大きく映ります。
■ヨセミテのムーンボウ
■ヨセミテ国立公園
・住所: 米国カリフォルニア州ヨセミテ国立公園95389
・アクセス: サンフランシスコから自動車で片道4時間。サンフランシスコ発の団体ツアーを利用し、ヨセミテビレッジで下車することもできる。あるいは、サンフランシスコからアムトラック(Amtrack)でマーセド市(Merced)まで行き、そこからヤーツバス(YARTS)でヨセミテビレッジまで。ヨセミテビレッジからクックス草原までは街灯のない散策路を徒歩15分