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Allsång på Skansen(アールソング・ポー・スカンセン)は、時代を彩る旬のアーティストから、長年のキャリアを築くアーティストまでさまざまなゲストやスペシャルゲストが自曲と、allsångと呼ばれるみんなで一緒に歌ったり踊ったりして楽しめるような歌謡曲を歌う番組です。例年、6月終わりから8月半ばまでの毎週火曜日20時からSVT放送にて全8回、会場のスカンセンからライブ放送されます。
この番組の目玉は、そのライブ放送に観覧者として参加できることです。会場で大好きなアーティストの生演奏を楽しめるだけでなく、allsångをそのアーティストとともに歌うことができ、運がよければ、会場内を周るアーティストが自分の近くまで来て、マイクを向けられるといったことも起きます。
そのため、人気アーティストが出る日は一層盛り上がります。
会場には座席、立ち見のスペースが通常あり、特に座席は座れるだけでなく前方に位置するため、争奪戦になります。しかしながら、新型コロナの影響で昨年は無観客、今年はついに有観客となったものの、放送初月の6月に緩和された新型コロナ制限ルールに合わせて、着席500人のみに制限されました。
その代わりに昨年から活躍しているのが、allsångを一緒に歌えるアプリ「Duo」です。カメラ機能と連携していて、自分の歌う姿が番組中、ワイプとして映し出されます。老若男女問わず、いろんな方が参加していて、ときには映し出された自分の顔をテレビで確認して、驚き喜ぶ姿を見ることもでき、番組を見る人みんなが楽しむことができます。
通常観覧者として参加するには、一昨年まではスカンセンの年間パスや入場券のみの購入で可能でした。しかし今年は別途特別入場券の購入が必要となり、年間パスだけでは原則観覧できなくなりました。来年はどうなるでしょうか。
ちなみに、番組放送前にはgenrep(ジェーンネレープ)と呼ばれるリハーサルがあり、これを観覧することもできます。リハーサルと本番の2回観覧すると、その違いを楽しむこともできます。経験上、より盛り上がるのは間違いなく本番です。
今年は、好きなアーティストSmith&Thellが出演した回のリハーサルに参加してきました。最近になってようやくツアーを開始したものの、なかなか生歌を聴けるチャンスはなかったため、とても貴重な体験でした。
また、司会のSanna Nielsen(サンナ・ニルセン)は今年で6回目を迎えるベテランです。彼女が毎年新しい楽器に挑戦したり、さまざまな衣装を身に着け役に徹し、歌ったりする姿は見ものです。現在彼女は妊娠中にもかかわらず、大きなおなかを抱えながら会場内をハイヒールを履きながら縦横無尽に動き回る姿には内心ヒヤヒヤしますが、さすがSannaと思わせてくれます。そして、毎シーズン、最終回には来シーズンの去就がどうなるか発表があります。これもドキドキさせてくれるのですが、来シーズンも続投するいうことで、来年も力強いパワーをスウェーデン中に与えてくれることになりそうです。
番組はほぼ全編スウェーデン語となりますが、スウェーデンのアーティストを知ることができたり、見ているだけでスウェーデン音楽に浸れる有意義な1時間です。テレビ放送はスウェーデン国内でのみ見ることができますが、YoutubeのSVTチャンネルでも一部閲覧することが可能なので、ぜひ覗いてみてください。
もし来夏スウェーデンに旅行できた際は、ぜひ番組観覧に参加して、スウェーデン音楽に浸ってみてはいかがでしょうか。
↓2019年シーズン最終回本番前の様子