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Sut Mae!(シュマイ!こんにちは!)
先日、ロンドンに赴任されたばかりで初めてのウェールズ旅行を楽しまれているという日本人ファミリーにお会いしました。
そこで、ウェールズの印象は??とうかがったところ、「羊がいっぱい!」と小学生くらいの娘さんが即答(笑)でも、そのとおりなんです!
ウェールズの田舎を訪れた人がまず驚くのが、羊の多さ。
実際、人口よりも羊の数の方が多く、少し町を出ただけで羊たちが草を食むのどかな風景が広がります。
▲ ウェールズの素朴な村の風景
今回はそんな牧羊が盛んなウェールズならではの老舗羊毛工場を紹介します。
スノードニア国立公園近郊の村「トレリウ(Trefriw)」にある日本ではあまり? 知られていないウール・ブランド「トレリウ・ウールン・ミルズ(Trefriw Woolen Mills)」は珍しいウェルシュデザインの羊毛製品や旅の思い出になるものを探したい方におすすめの場所です。
■ 1859年創業の老舗ウェルシュ・ウール・ブランド「Trefriw Woolen Mills」
スノードニア山間部にあるゲイリオニズ湖(Llyn Geirionydd)から流れ込むクラフナント川(Afon Crafnant)の豊富な水で水車を回し、その動力で羊毛を紡いだのが「トレリウ・ウールン・ミルズ」の始まりです。
もともと村にあった羊毛工場のひとつを1859年に創業者トーマス・ウィリアムが買収し、以来30年以上稼働し続けました。その後も親戚が跡を継ぎ、家族経営で現ブランドを確立。現在は5代目ウィリアム氏が村で唯一となった工場を守り続けてます。
▲ 老舗ウェルシュ・ウール・ブランド「Trefriw Woolen Mills」本社工場
ここでは稼働中の工場で原毛から美しい色の毛糸になる加工工程や製品にする作業工程を無料で見学することができます。(2021年8月現在、一部閉鎖中)
また、作業場の一部がガラス張りになっていて、窓越しに見ることができるほか、各セクションごとにモニターや展示パネルなどわかりやすい解説が用意されています。
▲ 織機が並ぶウィービング(織り)のセクション
英語とウェールズ語表記の案内には、原毛 → カーディング(毛をすいて、繊維の方向をそろえる)→ 撚り糸 → スピニング(2本以上の糸を合わせる)→ 洗浄 → 染色 → ウィービング(織り)の順で加工工程が説明されていました。
▲ 羊の原毛からラノリンという油分を除去する作業場
原毛や各加工段階の毛糸も見本として展示されているので、実際に触れることができます。
▲ 原毛や毛糸の見本
そして、広い店内には豊富な品揃いの織物製品が並んでます。
ウェールズの伝統的なパターンを用いたタペストリー織のベッドカバーやテーブルクロスはリバーシブルで使用できて、柄も素朴で人気があります。
ツイード生地や絨毯、素朴なデザインのセーターや手織りのスカーフ、小物など……ぜひ、お気に入りの一品を探してみてください。
▲ スカーフや帽子、財布などの小物コーナー
▲ タペストリー織りの膝掛け£80、ベッドカバー£245~など
■ Trefriw Woolen Mills
・ 住所: Main Road, Trefriw LL27 0NQ
・ URL: https://www.t-w-m.co.uk/
トレリウ村には"妖精の滝"と呼ばれるかわいらしい滝「フェアリー・フォールズ(Fairy Falls)」やウェールズの王子によって1230年頃に設立されたとされる石造りのセント・メアリー教会(15~16世紀に再建、19世紀に復元)など、ほかにも見どころがあります。
▲ 妖精の滝「フェアリー・フォールズ」
▲ セント・メアリー教会
また、村のはずれにはローマ軍によって発掘されたとされる鉱泉もあり、ヴィクトリア時代から"スパ・ウォーター"として販売されていたのだとか。
現在も鉱泉が湧き出る洞窟のある「トレリウ・ウェルズ・スパ(Trefriw Wells Spa)」では"スパトーン(SPATONE)"という鉱泉を使った製品が販売されてます。
■ トレリウ村への行き方
・ ロンドン・ユーストン(London Euston)駅から鉄道でクルー(Crewe)駅で乗り換えてスランドゥドゥノ・ジャンクション(Llandudno Junction)駅へ(約3〜4時間)。
・ スランドゥドゥノ・ジャンクションからベトッス・ア・コイド行き19番バス(途中、コンウィも通過)でトレリウ・ウールン・ミルズ前のバス停Memorialへ(約35分)。
ウェールズの田舎でのんびり過ごしたい方にぜひ訪ねてほしいおすすめの村です。