キーワードで検索
各地で新型コロナウイルスの影響による緊急事態宣言の発令や、まん延防止等重点措置を適用される地域が増え、2021年も例年とはまったく違った夏を過ごしている方が多いと思います。
札幌でも「まん延防止等重点措置」が再び適用され、飲食店での酒類提供、営業時間の短縮が要請されたことで、やはりいつもの習慣とは異なる過ごし方をしている人が多いと思います。
そんななか、2021年の夏、札幌ではコロナ禍とは別のところで、いつもとは違う風景が広がっていました。
7月に入り、お天気が続き、気温は例年よりも高かったのですが、空気もほどよく乾き、「今年の夏は過ごしやすいかもしれない」と密かにほくそえんでいました。
実際、日中は暑くても夜には気温が下がり、寝苦しいこともなく快適に過ごしていたのです。
ところが、7月も半ばを過ぎたとき、ちょっとした異変に気づきました。
青々とした芝生の写真を撮ろうと歩いてみたのですが、普段、この時期にはふさふさと茂るグリーンの芝生が、なかなか見当たらないのです。
よく見ると木の葉も落ちています。
写真↑は10月の札幌です。
紅葉して落ちた葉は多いですが、その間にはまだ緑の芝生が見えています。
本来は、初雪が降っても、ときには積もった雪の下になっても、芝は青々としているはずなのです。
そして例年の7月の芝生は、こんなに↑青々と、そしてふさふさと生えています!
それから外へ出る際は、気をつけて草木に目を向けてみると…
最初に気がついた場所だけではなく、行く先々で青々とした芝生はみつかりません。
その日のみならず、その後ずっと、外出先では緑の芝生を探しながら歩きました。
すると、いつもは7月に瑞々しい姿で楽しませてくれるアジサイも萎れ気味に。
いよいよ心配になり、北海道が毎月2回発表している「農作物の生育状況」を見てみると、7月半ばまでは平年より高い気温により作物の成長は早かったものの、7月下旬には降水量が北海道全体で平年よりかなり少なく、一部の地域では作物の葉が萎れたり枯れたり、成長が遅くなり始めているとのこと。
実際、外出時に目にする草花のなかには完全に枯れているものも目につくようになりました。
写真だけ見ると、まるで雪がない冬の光景です。
それもそのはず、雨が降らないうえ、札幌では7月21日から8月7日までの18日間、連続で真夏日を記録し、観測史上最長の記録を更新しました。
夏にこれほどあちこちで黄色くなった芝を目にしたのは、初めてのことです。
生活に支障はないとはいえ、緑が少なく、枯れた草花を目にするたびに農作物の生育状況を心配していましたが、とうとうその時がやってきました。
ほぼ1ヵ月間、ほんの一瞬、それも2日程度降っただけで、まとまった雨がなかったところ、8月4日に激しい雨が降り始めました。
雨は激しく道路に打ち付けたり、細かいスコールのようになったり、強くなったり弱まったりしながら3時間ほど降っていました。
いつもは激しい雨が降ると、どこか木陰などに姿を潜めていることが多いスズメも、渇きを潤すかのように雨に濡れながらあちこち動き回り、ときには久しぶりにできた水たまりの水を飲んでいました。
激しく降っていた時間はそれほど長くはなく、トータル3時間程度の雨は少し物足りなかったのですが、水を浴びた草木が息を吹き返しているかのように見えました。
8月4日以降、少しずつ雨が降り始めると、
まだ生えそろっておらず、斑なところもありますが、ようやく緑が増えてきました!
ほとんど緑がなかったところにも……
ひと株、咲いている花を見つけました。
そういえば、ここしばらく蝶も見かけていなかった気がします。
この日、モンキチョウ、モンシロチョウ、ナミアゲハ、カラスアゲハを見かけました。
ようやくいつもの風景が見られるようになりつつある札幌ですが、気がつけば空はもう秋の気配。
日中には夏日になる日もまだ多いですが、夏の入道雲は姿を消し、すじ雲が増えてきました。
これからは、ひと雨ごとに秋が近づいてきそうです。
なかなか思うように過ごせない毎日ですが、皆様、どうぞご安全にお過ごしください。