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ホノルルのグルメな町、カイムキにワンランク上のヴィーガン・レストラン「AVレストラン」がオープンしました。店名は「All Vegan」の略だそうです。
最近よく耳にするヴィーガンとベジタリアンの違いは何でしょうか? 一般的にベジタリアンは菜食主義者で野菜を中心に乳製品や卵や蜂蜜も食べます。ヴィーガンはベジタリアンと同じように野菜を食べますが、乳製品や卵や蜂蜜は一切食べません。アメリカ人の友人に教えてもらったのですが、ヴィーガンは顔のついている食品は食べないということなのだそうです。例えば牛乳は牛からで、牛には顔があります。卵はニワトリで顔があり、蜂蜜をつくる蜂にも顔があります。ですからもちろん肉や魚も食べないのです。
AVレストランは、レストランXOのオーナーシェフでもあるケネス・リーがオーナーです。ケネスはレストランを営む家で育ち、ホノルルのダウンタウンのSeniaで修行を積みました。シェフのハリソンは、レストランXOでケネスの右腕として働いてきました。
AVレストランの開店3ヵ月前は、寝る間も惜しんでメニュー開発に勤しんだハリソン。だいたい50個くらいの料理のアイデアを出して、そのうち実際に作ったのが30個。その30個も、少しずつ変えていろいろなバージョンを作ったので、開店時の15品のメニューを作るためには毎日膨大な量の料理を作っていたのだとか。ハリソンは「ケネスは思いつくとすぐに行動する派、僕は物事をゆっくり進める慎重派だから、うまくいくときがほとんどだけど、ぶつかるときもあるよ」と笑っていました。
ヴィーガン料理やベジタリアン料理で使う香辛料といえば、カレー粉やクミンそしてパプリカやハーブ系が多く、どの料理も同じような味がするので、私はすぐに飽きてしまっていました。ところが、このAVレストランでは出てくるお料理すべてが違った味つけで、懐石料理のように少しずつ出てくる15品のお料理を楽しむことができました。
15品のお料理です。
▲クリスタル・クロスティーニ、ごま油のフムス、ガーリック、ざくろ、スマック(トルコのスパイス)
見た目の美しさに圧倒されました。ほんのりガーリックがおいしかったです。
▲ビーツ・タルタルのタルトレット、マーマイト味噌、トマトヨーク
ビーツのタルタルにどう見てもウズラ卵にしか見えないトマト。カリカリとしたタルトとよく合っていました。
▲グリルしたカリフラワー、ソフリット、味噌のバーニャカウダ、ブラックライム
タコスのように食べるのですが、柚子味噌のバーニャカウダソースが新鮮でした。
▲エビとじゃがいものカンノーロ、スイート・クミン、サフロン・アイオリ
隠し味のキムチがいい味出しています。じゃがいものカンノーロはパリパリとしていて、揚げた蕎麦と同じ食感でした。
▲セロリのガスパチョ・シャーベット、きゅうり、ハリッサ、ミント
口直し用の一品です。冷たくてさっぱりとしていておいしかったです。3つくらい食べたかったくらいでした。
▲坦々トルテリーニ、坦々ソース、チリオイル
ヴィーガン料理ではおなじみのテンペと豆腐とマッシュルームを使っています。ピリ辛のチリソースを使った坦々ソースがアクセント。
▲たコ焼き(たこ焼きをもじっています)、トルティーヤのピューレ、タコソース
たこ焼きをメキシコ料理のタコスのソースで食べるという創作料理。意外においしくてびっくり。
▲トリュフ入り小籠包
トリュフの入ったひと口サイズの小籠包には、マッシュルームと珍しいバナナの新芽を使って食感を出しています。
▲グリルしたタイ茄子のにぎり寿司、海苔の佃煮、蒲焼ソース
パッと見るとウナギかアナゴのお寿司、でも食べれば茄子。中にはディルのピクルスが入っていて歯応えもよく、最高においしかったです。
▲和風カレーコロッケ、11種のハーブとスパイス入り、カシューナッツのランチドレッシング
どう見てもフライドチキンですが、中はホクホクのカレーコロッケ。2度揚げしているのでカラッと仕上がっています。
▲ポルトベロマッシュルームのサンドイッチ、ステーキソース、ディルのピクルス
肉厚のポルトベロマッシュルームからじわっと出る旨味たっぷりの汁と玉子で満足感たっぷり。
▲カリフラワーとチーズのコーンドッグ
アツアツでトロッとしたチーズがうまくカリフラワーに絡まっていました。ディジョンマスタードがよくあいます。
▲メロン・スフィア、メロンソーダ、ホワイトチョコレート、ポップロックス
薄いホワイトチョコレートの中にメロンソーダが入っています。ひと口で食べることをおすすめします。
▲日替わりシャーベット
甘すぎず、さっぱりとした柚子がお料理の最後にぴったり。
▲マカダミアナッツとチョコチップのクッキー、ココナッツのドゥルセ・デ・レチェ、アングレーズソース
温めたクッキーは、ほっとするアメリカの母の味です。
メニューは頻繁に変わる予定で、少なくとも1週間にひとつは変更になるそうです。いつ行っても同じお料理ではないのは魅力です。店内は少し大人の落ち着いた雰囲気でカウンター席とテーブル席があります。各料理の仕上げの様子を見たり、シェフと話しのできるカウンター席がおすすめです。
ヴィーガンの人もそうでない人も、次回のハワイ旅行の際には懐石ヴィーガン料理をお楽しみください。
■AVレストラン(AV Restaurant)■
・住所: 1135 11th Avenue, Honolulu, Hawaii 96816
・電話: (808) 888-3528
・営業時間: 17:30~22:30(火曜日~土曜日)
・インスタグラム: @restaurant_av