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パリを中心とした地下鉄やバスなどを運営しているパリ交通公団(RATP)は、公共交通機関を現代化する新たなステップとして、これまで販売していた紙の10枚綴りの回数券(カルネ)の販売を順次終了させてIC化させます。3段階の期間を経て、紙の回数券の販売を取りやめます。
なお、現在は紙の切符販売と並行して、ICカードに直接記憶させるデジタル式の切符も販売されています。
RATPが発表した紙の回数券販売終了の段階と期間は次の通りです。
– 第1段階(2021年10月14日): 約100駅の券売機で終了
– 第2段階(2022年1月): 第1段階に追加して176駅の券売機で終了
– 第3段階(2022年3月): すべての駅の券売機と窓口で終了
どの駅の券売機での販売が、どの時点でなくなるかは、RATPのウェブサイトをご覧ください。「PHASE 1(第1段階)」「PHASE 2(第2段階)」「PHASE 3(第3段階)」という部分をクリックすると、駅が表示されます(スマホからだと表示されないかもしれません)。また、パリ市内の一部キオスクやタバコ店など、特約店での紙の回数券販売も2021年で終了となります。
IC型交通カード「ナヴィゴ・イージー」を使うと、紙の回数券を持つように、デジタル化された回数券をカード内にチャージできます。ナヴィゴ・イージーの使い方は「パリの交通ICカード乗車券ナヴィゴ・イージー、使い方とチャージ方法まとめ」にまとめました。
ナヴィゴ・イージーへのチャージ方法は券売機とスマホとそのアプリを通して行う2通りあります。残数は毎回、改札口に表示され、またスマホからの確認も可能です。スマホからのチャージ方法は、以前の記事「Navigoを部屋で簡単チャージ、スマホを使ったパリの切符購入方法まとめ」にまとめました。
スマホを、IC型交通カード代わりに使うことも可能ですが、Samsungの一部機種に限られています。
バスで、1回限りの切符購入が必要な場合は、SMSを使った切符購入が可能となっています。方法は以前の記事「コロナ禍でパリのバス切符購入方法が変更、ニューノーマル買い方まとめ」にまとめました。
2022年3月をもって、紙の回数券の販売は終了しますが、引き続き使用はできます。1回券またはパリ市内と郊外を結ぶ料金別の切符は、紙のものが継続して販売されます。
2021年10月現在、10枚綴りの紙の回数券は価格が€16.90ですが、ナヴィゴ・イージーにチャージするIC型の10枚回数券だと€14.90です。紙の切符は、磁力が弱まり改札口で反応しなくなることがありましたが、IC型の場合はその恐れがありません。アプリからチャージできるため、駅の券売機で並ぶ必要がなく、外で財布を出すことがないため安心です。
紙の消費を減らすことは環境の負荷を減らします。RATPによると、2019年には2800万枚の切符が10枚綴りの紙の回数券として販売されました。路上に捨てられた紙の切符は、タバコの吸い殻と同じく、自然分解するのに1年かかるそうです。
参照: RATP