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アッサローム・アレイクム(こんにちは)! このたびタシケント特派員を拝命いただきました伊藤卓巳と申します。タシケントに住み始めたばかりですが、ウズベキスタンは旅行・駐在含めて4回目の滞在となります。旅行先として人気急上昇中のこの国の、定番スポットからマイナー情報まで広く深く掘り下げていければと思います。
ご挨拶代わりに、コロナ禍が収束したらぜひ訪れてほしいタシケントを代表するスポット4選を紹介します。
タシケントではソ連時代の1977年に早くも最初の地下鉄路線が開業しました。現在は4つの路線があり、総延長は59kmにまで延びています。駅の数は43駅ありますが、同じような駅はまったくないといってもいいほど、各駅の内装が凝りに凝っているのです。豪華絢爛なシャンデリアがいくつもぶらさがっている駅もあれば、息を呑むほど美しいタイル装飾で壁面が飾られた駅もあり、まさに地下に広がる美術館。「宇宙飛行士」を意味するコスモナウトラル駅にはガガーリンたちの肖像画が、アリシェール・ナヴォイ駅では駅名の由来となった歴史的詩人ナヴォイのレリーフがあるなど各駅の個性も光ります。地下鉄の運賃は均一料金で、2021年11月現在たった1400スム(=約15円)。撮影も近年許可されたので気軽に地下鉄駅めぐりができますよ!
タシケントを代表する観光スポットといえば、なんといってもバザール。今はスーパーやショッピングモールも増えてきましたが、まだまだバザールで買い物を楽しむ住民は多く、特に土日は満員電車並みの混雑となることもあるほどです。カラフルな野菜・果物、この国特産のドライフルーツ、大きい塊肉などなどが目を引き、威勢がいい売り子の呼び声や売り手と買い手が値段交渉する声が響き渡る、かつてのシルクロード交易の場をそっくりそのまま現在に持ってきたかのような雰囲気。大きいバザールだけでもタシケントに数ヵ所ありますが、特におすすめなのが市内最大のバザール、チョルスーバザール。美しい青いドームの下に所狭しと食品売り場が並び、その周りに無数の雑貨・衣料品売り場などがひしめく圧巻の市場です。また手作りの民芸品を持ち寄るバザールや食器専門市場、中古品を売り買いする巨大なのみの市など、専門性のあるバザールもたくさんあります。
え、ウズベキスタンってイスラム教の国なのでは……? 確かにウズベキスタンは人口のほとんどをムスリムが占める国ですが、もともと中央アジアは100以上の民族が住んでいるといわれる人種のるつぼ。ウズベキスタンもまた多民族国家で、少数ながらロシア人、アルメニア人などのクリスチャンもいます。彼らのよりどころになっているのが市内各地にある教会で、ロシア教会のほかアルメニア教会、カトリック教会、ルター派ドイツ教会など宗派別に存在しており、100年以上前に建てられた歴史ある教会も多くあります。特に礼拝でにぎわう日曜午前に行ってみるのがおすすめ。イスラム教の国で見る教会やその信者たちの姿は、欧米の教会とはまた違った印象を与えてくれます。行かれる際は露出度の高い服は控え、静かに見学するようにしましょう。
2000年以上の歴史を持つ古都でありながら、ますます発展が加速している現代都市という面も持つ町、タシケント。現在町は空前の建築ラッシュで、どこに行っても高いビルやマンションを建設している様子が見られます。そのタシケントの今を感じることができる場所のひとつが、広大な公園を中心にヒルトンホテルやプラネタリウム、レストラン、高層マンションなどが建ち並ぶ複合施設タシケントシティ。きれいに整備された公園で毎晩華麗な噴水ショーが催され、現地の見物客でにぎわっています。また独立記念日やクリスマス、年越しなど祝祭日に応じたイベントも開催。ここに行けば、歴史あふれるシルクロードの国というイメージとは違う近未来的な一面を感じることができるでしょう。