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(※2022年10月追記:現在こちらのお店は残念ながら休業状態。従業員5名が「脱北」したという報道も出ています。続報が入り次第加筆します。)
(※2023年3月追記:こちらのお店、同じ場所で再オープンしたとの情報が入りました。ただ現在は韓国料理レストランとなっており、冷麺などもメニューにないとのこと。)
サローム(こんにちは)!
中央アジアで一番の大都会タシケントですが、実は食の都でもあります。多くの旅行者がそのとりこになってしまうウズベク料理はもちろん、日本で食べる機会の少ない他の中央アジア・コーカサス料理のお店、そして韓国・中華・西洋料理などありとあらゆる料理が食べられるのです。以前サマルカンドに住んでいたときは、タシケントに上京(?)して美味しい料理を食べるのが本当に楽しみでした。というわけで、グルメ記事もこれからどんどん量産していきます。
本日ご紹介するのは北朝鮮レストラン。私の初めてのグルメ記事で北朝鮮レストランを紹介するのは、自分でもどうかと思いますが・・・。でも駐在者の方も旅行者の方も行く価値大有りですよ!
北朝鮮レストランといえば有名なのがロシアですが、ウズベキスタンにもタシケント市内ど真ん中に1店舗のみ存在します。レストランがあることから想像がつくとおり、ウズベキスタンは北朝鮮と国交を結んでいる国。実は日本のように北朝鮮と国交がない国のほうが、世界的に見ると少数派なのですが・・・。
お店があるのは市内中心部で、ティムール広場から徒歩20分ほど。よりによって日本大使館のすぐ近くにあります。
店名は「ネゴヒャン」(Ne Go Hyan、네고햔)。朝鮮語で「故郷」という意味だそうです。
2年前に行ったときはこのような入口で、その筋の人ならご存知の「千里馬」(一日に千里を駆けるという朝鮮の伝説上の馬)が描かれていましたが、
最近行ったときはなぜか廃墟のような外観になっていました。が、ちゃんと営業しているので堂々と入りましょう。
そもそも北朝鮮料理って韓国料理と何が違うの?と疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、北朝鮮の料理といえばなんといっても冷麺。いくつか種類がある冷麺ですが、私たちが一般的にイメージする冷たいスープに入った冷麺は北朝鮮の首都平壌が発祥地といわれています。2018年に行われた歴史的な南北首脳会談でも、金正恩氏が韓国の文大統領らに平壌冷麺をふるまって話題になりました。
その平壌冷麺がここタシケントで、しかも6万~7万スム(2021年12月現在のレートで約600~700円)で食べられるのです。一般的な肉入り冷麺と干し鱈入り冷麺の2種類があります。
日本の焼肉屋さんなどの冷麺とは少し違い、麺のコシが強いのが印象的。そしてスープが全部飲み干したくなるほど美味しい!実は私は北朝鮮で本場平壌冷麺を食べたことがあるのですが、それと比べても遜色ないようなお味です。
冷麺以外のメニューも豊富。おすすめは焼餃子で、日本の餃子より少し小ぶりで食べやすいです。また韓国料理店でよく見られる、キムチなどの小皿料理を無料で出してくれるサービスもあります。
タシケントに住む韓国人の方に聞いた話ですが、一時期韓国大使館がこの店に行くことを禁止するお達しを出していたそうで、彼らにとっては禁断のレストランになっていたそうです。今は解禁されたのか、先日行ったときは駐在妻さんたちと思われる韓国人女性グループが昼間からビールで乾杯していました。
さらにこのお店はウズベク人にも人気。なんとプロフなどウズベク料理の裏メニューもあり、ウズベク人に好評なのだそうです。運が良ければ店の入口でプロフを作っている様子が見られます。
ウズベク人のおじさんグループがここで酒盛りをしている場面に遭遇したこともありました。周囲の人には見られたくないけどたくさん飲みたいウズベク人たちにぴったりの、隠れ家的お店になっているのかもしれません。
いろいろ話題の絶えない国である北朝鮮ですが、本国から遠く離れたウズベキスタンの北朝鮮レストランは今日もいろんなお客でにぎわっています。
さて、タシケント特派員ブログはこちらが年内最後の記事になります。2022年はさらにたくさんのウズベキスタン情報を皆様にお届けできればと思っています。今度こそ気軽に海外旅行ができる年になることを願って・・・。
それではケラヨトギャン・ヤンギ・イーリンギズ・ビラン(よいお年をお迎えください)。
※2022年5月追記:こちらのお店は最近市内南部へ移転し、外観はこのようになっています。メニューは移転前のものとほぼ変わりありません。下記のお店情報は移転後のものとなります。