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サワディーカー。バンコク2特派員のぴっぴです。みなさま、新年明けましておめでとうございます! 今日から仕事始めという方も多いのではないでしょうか。2022年もタイのおもしろ最新情報を発信していきますので、よかったらお付き合いくださいね♪
タイにはキラキラ華やかな"映えスポット"が数多く存在しますが、そのなかでも近年とくに注目を集めているのが、バンコク近郊にある「エラワン・ミュージアム」。美しいステンドグラスをはじめ、3つの宗教芸術が美しく融合するフォトジェニックで壮大な世界観が、人々を魅了しています。
バンコク中心部からアクセスしやすく、タイ人のあいだでは「パワースポット」としても大人気。今回は現地への行き方、料金、見どころなど、「エラワン・ミュージアム」を最大限に楽しむための情報を詳しくお伝えします。
バンコクの東隣サムットプラカーン県にある博物館、エラワン・ミュージアム。3つ頭をもつ巨大なゾウが目印の仰天スポットで、最近ではタイ人だけでなく、外国人観光客のあいだでも人気が高まっています。
この博物館は華僑出身の大富豪、故レック・ウィリヤパン氏が創設し、2003年に完成しました。レック氏は "東洋のサグラダ・ファミリア" と称されるパタヤの「サンクチュアリ・オブ・トゥールス」などを手がけた人物でもあります。
タイの文化や芸術を後世に伝えることを目的に、博物館には仏像や骨董品など、レック氏の豊富な芸術コレクションが所蔵されています。ハイライトは、巨大ゾウがそびえるドームの内部。仏教、キリスト教、ヒンドゥー教の宗教芸術が調和し、そのフォトジェニックで壮大な景観は息をのむほど美しいと評判です。
博物館としての側面と、寺院としての側面をあわせもった、とても珍しい施設なのです。
バンコクからエラワン・ミュージアムへのアクセスは、高架鉄道BTS、もしくはgrabなどのタクシーを利用すると便利です。BTSの最寄り駅は「チャーン・エラワン駅」。バンコク中心部から車で向かう場合は、渋滞がなければ30分ほどの距離です。
筆者はBTSで向かいました。チャーンエラワン駅の1番出口からまっすぐ歩くと、およそ10分でミュージアムに到着します。
歩道はあまり舗装されておらず、デコボコしていて歩きづらいので、子供連れの場合はタクシー利用がおすすめ。
しばらく歩いていると、前方に"とにかくデカい!"と噂に聞いていたゾウのモニュメントが出現しました! これは想像以上の迫力かも…
博物館の入口は正面入口とサブの入口の2ヵ所あり、徒歩で最初に着くのはサブの入口。私が訪問した2021年12月時点ではサブの入口は閉まっていました。
いずれにしても正面入口の方が門が大きくてワクワク感が増すので、そちらからの入場がおすすめ♪
エラワン・ミュージアムのチケット料金、音声ガイドレンタル
窓口でチケットを買います。外国人は大人400バーツ(約1,400円)、子供200バーツ(約700円)と、けっこうお高め。タイ在住者はパスポート(ビザ)・ワークパーミット・タイの運転免許証を持参すると、タイ人価格(大人250バーツ、子供125バーツ)になります。
展示物の説明が聞ける音声ガイドもレンタルできるので、利用したい方は館内のスタッフに声をかけてみてください。残念ながら日本語はありませんが、タイ語・英語・中国語・韓国語・ロシア語から選ぶことができます。
借りる際にパスポート(コピー可)や1,000バーツのデポジットが必要という話を聞いていたのですが、筆者が訪れた際はなにも求められませんでした(謎)。
敷地中央にドデーンとそびえる3つ頭のゾウは、高さ29m、重さはなんと250トン。圧倒的な存在感です。このゾウはヒンドゥーの世界で"インドラ神の乗り物"とされていて、タイでは エラワンと呼ばれています。
エラワンの内部は空洞になっていて、このなかに摩訶不思議な世界が広がっているのだそう。これはワクワクしてきました!
入場するとすぐ右側にミュージアムのまわり方ガイドがあるので、確認しておきましょう。順路の番号をふってくれています。
「Receive flower, incense and lotus(花、線香、蓮を受けとってください)」と書いてある1のブースでチケットを提示すると、蓮の花をもらうことができました。本来であれば、お供え用のオレンジの花や線香も受けとれるようです。
ネットには「お供えの花、線香、蓮の花の3つがもらえる」「蓮の花は有料だった」などいろんな情報が飛びかっており、ケースバイケースなのかもしれません (笑)。現地で直接確認されることをおすすめします。
どのお花もかわいくて、優柔不断な筆者はいちいち悩んでしまうのですが、ピンク色の花をもらいました。かわいい~。
エラワンドームのまわりに水路が流れているので、蓮の花を水に浮かべて流します。こうすることで、贖罪や心のよどみを浄化する効果があるのだとか。
筆者の花も、パイプにぶつかりしばらく行きどまったあと (笑)、サラサラ~と流れていきました。
花が入っていた器は、返却場所に返しておきましょう。
左側の水面に浮かんだ花はプルメリアで、タイでは幸運を引き寄せる効果があるんだとか。とってもきれい。
こちらは参拝する場所。
エラワン・ミュージアムの敷地内には、心安らぐ緑豊かな庭園が広がっています。遊歩道があるので、ぜひ散策してみてください♪
この庭園にはタイの伝統文学に登場する樹木がたくさん植えられています。
古代神話に登場する、奇妙な動物たちのオブジェもたくさんあります。
ゾウたちの下を通ると、センサーが感知して彼らが「パオ~ン」と鳴きます。ちょっとシュール(笑)。
それではいよいよエラワンドームのなかへ。このドームは、仏教の聖典に登場する「冥界」「人間界」「天上界」の3つのパートに分かれていて、全体としては仏教の宇宙観を表現しているそうです。
まずは地下1階の冥界へ。ここではレック氏自慢のコレクションである、タイや中国の古美術品や陶磁器、博物館の歴史や建設にかかわる品々が展示されています。
(※内部は写真撮影禁止です)
そしてついに、ハイライトである地上階の人間界。このセクションでは、東西の芸術を融合した摩訶不思議な世界観を楽しむことができるということなのですが…
ドーン! ものすごい迫力!!
正面にお堂があり、それを取り囲むように、グネグネうねる白とピンクのらせん階段が、天上に向かってスパイラルしています。なんて奇想天外な空間の使い方でしょうか…
ドーム内は吹き抜けになっていて、天に登る2頭のナーガ(竜)に見立てられたらせん階段は、天上界へと続いています。
天盤のステンドグラスには描かれているのは、世界地図と12星座。これは著名なドイツ人アーティストが手がけたものです。12星座は西洋で発展した思想ですが、この仏教施設と不思議と調和していて、なんとも不思議な空間。
黄色は「大地」、白は「風」、赤は「火」、青は「水」を表現しているそうです。
壁・階段・柱などその細部をよく観察してみると、色鮮やかで繊細なベンジャロン焼きを砕いたもので、美しく装飾されていることに気がつきます。
柱ごとに、異なる宗教の彫刻や絵が描かれています。あちこちに潜む神話の動物たちを探すのも楽しい。
ナーガのらせん階段を登りきると、左右の階段が合流します。そこからエレベーターもしくはらせん階段で、本堂がある天上界に向かいましょう。
らせん階段の壁には、インドの民族信仰に基づくとされる天人の絵が描かれています。
西洋で発展したテンペラ技法で描かれているそうで、淡い色使いがとても美しい。
頭上には、仏教の宇宙観を表現したシャンデリア。花柄の照明がかわいいです。
本堂がある天上界は、ゾウの胎内にあたる部分。ブルーとゴールドを基調とした神秘的で美しい空間で、静寂につつまれています。筆者が訪れたときは貸し切り状態でしたが、多くのタイ人がここで熱心に祈りを捧げるのだそう。
正面中央には、なめらかで女性的な曲線を特徴とした、スコータイ様式の立像。両サイドには、歴史的な仏像コレクションが展示されています。
(※中央の仏像は撮影できますが、左右の仏像は撮影禁止です)
天井を見上げると、ドイツ人画家がテンペラ技法で描いた宇宙が広がっています。とても神聖な気持ちになり、パワースポットと呼ばれる理由が分かった気がします。
いやはや、これは見ごたえ抜群な施設です!
エラワン・ミュージアムの敷地内には、木陰で休憩できるレストランやカフェもあります。食事はタイ料理で、ほぼローカル価格。
筆者が訪れた日は比較的涼しかったので、そこでランチをとることにしました。大好物のカオクルックガピ(60バーツ) と、コーラ (20バーツ) を注文。うん、おいしい!
土産店もあります。
お手洗いは洋式で、そこそこ綺麗。
私が訪れたときはクローズしていて登れなかったのですが、白色の塔の頂上はビュースポットになっていて、エラワンの全景を写真撮影できるそう。ちなみに午前中は逆光になるので、きれいな写真を撮りたい場合は午後がおすすめです。
■エラワン・ミュージアム(Erawan Museum)
・住所: 99/9 Moo 1, Tambon Bangmuangmai, Amphur Muang, Samutprakarn 10270
・電話: +66-2-371-3135
・開館時間: 9:00~18:00 (年中無休)
・駐車場: あり
・服装: 短パンやミニスカートはNG(腰布などの貸し出しあり)
3つの宗教芸術が美しく融合し、世界で唯一無二の、どこかシュールで壮大な景観を楽しむことができるエラワン・ミュージアム。見どころ盛りだくさんなので、所要時間は1~2時間はみておきたいところ。
バンコク中心部から少し外れていることもあり、混雑はまったくなく、ゆっくりのんびりまわることができました。アクセスもいいので、バンコク近郊の日帰り旅にも最適。ご家族や友人、女子旅やカップルでも楽しめると思います。
タイでも新型オミクロン株が蔓延しており、自由にタイ旅行をするにはまだハードルが高い状況ではありますが… 今後のタイ旅行のプラン作りになにか参考になれば幸いです。それでは皆さま、また次回の記事でお会いしましょう!