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2022年が明けました。皆さんはどのようにして大晦日を過ごしたでしょうか。
新年一発目は、スウェーデンでの一般的な年越しについて紹介します。
12月31日は、家族あるいは友人と集って、パーティを開く場合が多いです。食事については、日本の年越しそばのように特に決まった食べ物はありませんが、アルコールを浴びるように飲みます。そして翌日の元旦は、疲れや怠惰で料理をせずにピザを買いに行くというのが主流となっていて、1月1日はピザ屋が一番忙しい日と言われています。
またエンタメについては、Sknasenにおいて開催されているコンサートが23時から全国に向けてテレビ中継され、そのなかで朗読されるイギリスの詩人Alfred Tennyson(アルフレッド・テニソン)による「Ring Out, Wild Bells」のスウェーデン語訳「Nyårsklockan(ニーオッシュクロッカン、nyår=新年、klockan=時計の意)」を聴いて新年を迎えるというのが100年以上も続く伝統となっています。
しかしながら近年は、寒空の下、そこら中で上がる打ち上げ花火を見ながらカウントダウンをして、12時になると同時にシャンパンボトルを開けて飲むということが多くなってきています。
打ち上げ花火は、18歳以上であれば基本的には誰でも購入できるため、決められた場所で打ち上げるなどのルールを守ってさえいれば、30mの高さまで打ち上がる花火さえも個人で打ち上げられるのが現状です。アパートのすぐ真横でパンパン花火が連続してあがることもざらにあります。
ただし、猫や犬など家庭で飼われている動物にとっては花火の音はとても厄介なものです。そのためストックホルム県では、唯一花火の打ち上げが禁止されているアーランダ空港周辺の宿泊施設は、この時期、ペットを飼う飼い主の予約でいっぱいとなります。
また自然環境面への配慮からあまり見なくなってきてはいますが、ランタンを飛ばすという人もいます。
新年を迎えたあとの公共交通機関は、疲れが顔に滲み出ている乗客でいっぱいです。この日ばかりは夜更かしができる子どもたちの姿もちらほらあります。普段あまり見ない「電車の中で寝る」という人もよく見かけます。
ちなみに、仕事については日本のように正月休みもないので、2日から仕事始めとなることが通例ですが、今年は2日が日曜日なので得した気分に浸ることができています。
クリスマスやミッドサマーのように盛大に祝うわけではないですが、それなりにお祝いするスウェーデンの正月です。今年こそは皆さんが自由に空を飛びまわれる日が来ますように。