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サローム(こんにちは)!
日本で最近人気急上昇中の外国料理といえば、なんといってもジョージア料理でしょう。牛丼チェーン大手の松屋がシュクメルリ鍋定食を提供し始めたのを皮切りに注目され始め、ハチャプリが惣菜パンとして販売されたり、シュクメルリやハルチョーがレトルト食品としてスーパーの店頭に並んだりと、にわかに"ジョージア料理ブーム"が起きています。
余談ですが、本格ジョージア料理が食べられるロシア料理店は東京にいくつかにあるものの、完全なジョージア料理専門レストランはまだ日本には存在しないようです。ジョージア料理の一ファンとして、日本初のジョージア料理専門店の出現を待ち望んでいる次第です。
ジョージア(グルジア)がソ連であった時代から、ジョージア料理はソビエトの中で最も美味しい民族料理のひとつとして知られてきました。現在ジョージアとロシアの仲は政治的には決して良くありませんが、ロシアには無数のジョージア料理店があり、ロシア人にとても人気です。そしてウズベク人もジョージア料理の魅力はよく知っており、タシケントにもいくつかジョージア料理レストランがあるのです。今回はその中のひとつから、私の一番のおすすめ店「バグラティオニ Bagrationi」を紹介します。
お店があるのは繁華街、オイベック地区の外れで、地下鉄オイベック駅またはミング・オリク駅から徒歩20分ほど。夜は薄暗いエリアなので、できればタクシーで行くのがいいでしょう。すぐ満席になってしまう人気店なので予約をおすすめします。
店内は小ぢんまりとした隠れ家的風情で、少人数の会食にはぴったり。メニューはロシア語・英語併記で、料理によっては簡単な説明も書かれているので安心して注文できます。
まずは何といってもジョージア料理に欠かせない赤ワインから。おすすめは自家製ワインで、壷のようなこだわりの容器に入れてサーブしてくれます。一般のワインよりちょっと甘め、でもスッキリしたお味。注文する際はдомашнее красное вино(ダマーシュニェー・クラースナエ・ヴィノー:ホームメイド赤ワイン)と告げてください。
私がいつも注文する料理は、ハルチョー、ヒンカリ、ハチャプリ、そしてシュクメルリ。ハルチョー(Harcho)はトマトベースでお肉やスパイスをふんだんに使った、ジョージア料理のスープの代表選手。ほかの国のどのスープにも似ていないような香り高い味で、一度飲むとクセになってしまうはず。
ヒンカリ(Khinkali)は小籠包に似ている料理ですが、サイズはその数倍もあります。このお店では一皿に10個入っていますが、巨大な小籠包らしき料理が10個もゴロゴロしている様は圧巻です。普通にかじろうとするとたっぷりアツアツの肉汁で舌が火傷してしまうかもしれないので、スタッフに食べ方をレクチャーしてもらってくださいね。
チーズ入りパンのハチャプリ(Khachapuri)は、ジョージアの各地域によって見た目や味が異なる興味深い料理です。おすすめは舟形の生地の真ん中にチーズと卵がのったアジャリア風ハチャプリ(Ajarian Khachapuri)です。
卵とチーズを混ぜ、アツアツの生地をちぎりディップして食べるのが一般的な食べ方ですが、このチーズがジョージアならではのスルグニという特別なチーズで、卵も相まって絶妙にトロトロになっているのです。カロリー爆弾のはずなので、ある意味危険な食べ物です…。
そしてかの有名なシュクメルリ(Chicken in Chkmerski)。こちらも本国ではさまざまなタイプのシュクメルリがあるようですが、このお店で出してくれるのは日本で流行している"クリーム煮込み風料理"とは異なり、透き通ったさっぱりめのスープで鶏肉を煮込んだ料理。これでもか! という勢いで入っている大量のニンニクがたまりません。
なお値段も良心的で、ワインを含めても予算は一人あたり20万スム(2022年3月現在のレートで約2000円)ほど。この金額でお腹いっぱいジョージア料理が楽しめるのはウズベキスタンならでは!
ほかのジョージア料理レストランとして、ここバグラティオニから南西へ徒歩15分のところにあり、ステージやダンススペースもある大部屋で食事をいただける「グルジンスキー・ドヴォリク Gruzinskiy Dvorik」や、地下鉄コスモナウトラル駅から徒歩5分とアクセス抜群で3年前にオープンしたばかりの「ハチャプリハウス Khachapuri House」といったお店もあります。どこも美味しいお店なので、立地や雰囲気などを比較して行ってみてください。
最後にまたまた余談ですが、個人的にはウズベク料理はジョージア料理に匹敵するほど美味しく、日本人の舌に合うと思っているものの、まずはジョージア料理が日本で有名になってしまってうらやましい限りです。いつかウズベク料理も日本で大ブレイクする日が来ることを、切に願うばかりです。