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サローム(こんにちは)!
町の再開発が猛スピードで進み、どんどん発展が続いているタシケント。市内中心部だけでなく、郊外エリアも住宅街や重要施設などの建築ラッシュです。今回紹介するのはその中のひとつ、政府が威信をかけて造った壮大な公園ヤンギ・ウズベキスタン・ボギ(新ウズベキスタン公園)です。
この公園があるのはタシケント市を取り囲むように広がるタシケント州の中のキブライ地区。東京に例えると、立地的には井の頭公園あたりをイメージしていただけるとわかりやすいでしょうか(歴史も規模もまったく違いますが)。
アクセスは、地下鉄マシーナソズラル駅上のバスターミナルから出発する190番バスで。10~15分ほど走ると首都らしくない更地が広がる光景になり、さらに少し行くと左手に広場らしきものと白い巨大建造物が見えます。何もない平原に突如コテコテの人工物がドーンと出現したような印象ですが、これがヤンギ・ウズベキスタン・ボギ。
この白い巨大建造物こそが、ヤンギ・ウズベキスタン・ボギの中心となるモニュメント。正式名称はムスタキリク・モニュメントで、独立記念碑の意味。この公園は国家のイデオロギー色が強い公園で、ウズベキスタンの豊かな歴史と、まだ若くて新しいこの国の輝かしい未来をアピールするために造られました。オープンしたのは2021年8月31日、独立30周年記念日の前日でした。
モニュメントの下部にはレギスタン広場や仏教遺跡などウズベキスタンが誇る歴史遺産、そしてティムールやナヴォイといった偉人が彫られています。そして高さ65mの最上部には国章にも描かれている伝説の鳥フモがそびえ立っています。
モニュメント後部に描かれているのは、かつてこの地域を行き交っていたであろうラクダのキャラバン隊や、力は正義にありというティムールの言葉。
この公園のオープン以来、祝祭日の際はここで大々的な催しが開かれ、このモニュメントがイベントの舞台になっています。私が訪れたのは2022年の年明けですが、このときは新年のイベント真っ最中で、モニュメントと向かうようにして高さ35mもの巨大ツリーが立っていました。(ツリーとともに年越しをするこの国のクリスマス事情については以前の記事 4. クリスマス=年越し祝い!?クリスマス時期の風景@ウズベキスタンで解説しています)
また年越し番組では年明けの瞬間ここで大々的に花火が打ち上げられた様子を映しており、大規模な年越しイベントが開かれたようでした。イベントの際はタシケント市内から無料バスも運行されることもあるようで、私も訪問の際はこのバスを利用しました。
このモニュメントに沿って、食べ物屋台や遊具がずらりと並んでいます。私が行ったときは来場者数に対して食べ物の供給が合っていなかったのか売り切れ続出で、かろうじて冷めたミニハンバーガーを手に入れることができました……。
この国ではファミリーが集まるエリアでよく見る光景ですが、ポップな爆音BGMが複数鳴り響くなかを子供も大人も楽しげに遊具で遊んでおり、日本人から見るとシュールな雰囲気。
少し歩くと遊具専用ゾーンがあり、ここでも子供たちが元気そうに遊んでいます。
また散歩コースに沿って斬新な謎モニュメントがたびたび現れ、やはりどことなくシュールさが感じられます。
壮大なモニュメントや人の多さ、摩訶不思議な雰囲気にちょっと疲れてしまった……という方は、園内の外れにある小高い丘と池に向かってみましょう。ここからは、タシケントの東にそびえる3000m級の天山山脈が望めます。
いまのところはイベントや祝祭時以外の人出は少なく、外国人旅行者にとってもまだまだ物足りない感のあるヤンギ・ウズベキスタン・ボギですが、これからどんどん拡張予定とのこと。その名のとおり新しいウズベキスタンを象徴する施設として、フルオープンするとどんな姿になるのか楽しみです。
それではコルシュグンチャ・ハイル(また会う日まで)!